AVIOT

総合評価
3.2
科学的有効性
0.5
技術レベル
0.7
コストパフォーマンス
0.7
信頼性・サポート
0.6
設計思想の合理性
0.7

日本発のTWSブランド。LDACやアダプティブANCなど機能面は充実する一方、第三者の網羅的な測定公開が少なく科学的確度は平均。低価格のLDAC+ANC競合が強く、コスト面は可。

概要

AVIOTは2018年創業のPreseed Japanのオーディオブランドで、LDACやアダプティブANCなど最新機能を備えた完全ワイヤレス製品を中心に展開しています[1]。日本国内ではBIC CAMERAやヨドバシカメラ等を含む5,000店舗超での取り扱いが公表されており[2]、現行のTE-A1はLDAC、アダプティブ・ハイブリッドANC、最大70時間再生、マルチポイント、ワイヤレス充電、専用アプリ対応を明示しています[3]。

科学的有効性

\[\Large \text{0.5}\]

直近機種の第三者測定(周波数特性の許容幅、THD、ANC減衰量[dB]等)の公開は乏しい状況です。旧機種(TE-D01系)はIn-Ear Fidelityの測定でV字傾向・平均的な技術水準が示されました[4]。最新のTE-A1/TE-V1Rについてはメーカー情報中心で定量値の提示が限定的であり[3][5]、可聴域での透明性を裏付ける外部測定が不足しているため、現時点では0.5とします。

技術レベル

\[\Large \text{0.7}\]

AVIOTはドライバー構成やアプリ面で独自性があります。TE-V1Rはハイブリッド・デュアルドライバーとLDAC、10バンドEQやANC/外音取り込みレベル調整に対応します[5]。最上位のTE-ZX1はダイナミック+平面磁界+BA×3の「5ドライバー・トライブリッド」構成でLDACに対応し、TWSとしては野心的です[6]。汎用品を超える設計投資が見られ、平均以上と判断します。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{0.7}\]

基準(代表製品1機種方式): 主力帯のTE-A1を基準とします(LDAC、アダプティブANC、マルチポイント、ワイヤレス充電、長時間駆動)[3]。
比較対象(同等以上で最安): Anker Soundcore Space A40。LDAC(Hi-Res Wireless)とアダプティブANCに対応し、第三者の詳細レビューが豊富で市場流通も広いです[7][8][9]。

価格(評価基準はUSDで統一):

  • 比較対象:Soundcore Space A40 — 59 USD(Amazon US確認)[9]。
  • 基準機:AVIOT TE-A1 — 13,530円(公式、約90 USD換算)[3]。

算式:
59 USD ÷ 90 USD = 0.66 → CP = 0.7(小数1桁に丸め)。

同等性メモ: いずれもLDAC、アダプティブANC、アプリEQ、マルチポイントを装備。A40のANCは第三者の測定レビューが充実しています[8]。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.6}\]

国内流通網(5,000店舗超)[2]に加え、公式サイトで製品登録・交換保証等の案内が提示されています[5]。一方で、グローバルのRMA率や長期的なファーム更新実績は英語情報が限定的です。日本国内では安心感があるものの、国際的なサポート透明性は中程度と判断します。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.7}\]

LDAC、アダプティブANC、アプリによるEQなど、ユーザー可聴面の改善に寄与し得る技術へ投資している点は合理的です。過去には「0.1 dB単位のチューニング」などの主張も見られますが[11]、第三者の定量測定が十分とは言えないため、総合的にやや高めの評価に留めます。

アドバイス

低価格でLDAC+ANCを重視する場合は、Soundcore Space A40など第三者測定が豊富で安価な選択肢の実勢価格を確認すると良いです[7][8][9]。AVIOTを選ぶなら、コラボモデルや装着性、アプリ機能など付加価値を重視し、LDACやマルチポイント等の装備と自分の端末側の対応を事前に確認してください。客観的な測定情報が増えた段階で再評価するとさらに確度が高まります。

参考情報

[1] Preseed Japan Corporation —「Business」(AVIOT概要)https://en.preseedjapan.co.jp/business/(参照 2025-08-15)
[2] AVIOT News —「IFA 2023での出展と国内5,000店舗超の取り扱い」https://en.aviot.jp/news/aviot-showcases-innovation-in-premium-sound-at-ifa-2023-in-berlin/(参照 2025-08-15)
[3] AVIOT — TE-A1 製品ページ(LDAC、アダプティブANC、最大70時間、価格13,530円)https://aviot.jp/product/te-a1/(参照 2025-08-15)
[4] In-Ear Fidelity — AVIOT TE-D01(測定と所見)https://crinacle.com/guide/tws/aviot-te-d01/(参照 2025-08-15)
[5] AVIOT — TE-V1R 系ページ(ハイブリッド・デュアルドライバー、LDAC、10バンドEQ、サポート案内)https://en.aviot.jp/product/te-v1r-hen/(参照 2025-08-15)
[6] AVIOT — 製品一覧(TE-ZX1:5ドライバー・トライブリッドの位置づけ)https://en.aviot.jp/product/(参照 2025-08-15)、Amazon掲載例:https://www.amazon.com/AVIOT-TE-ZX1-Wireless-Earbuds-Noise-Cancelling/dp/B0D47CXCFY(参照 2025-08-15)
[7] soundcore Support —「Space A40でLDACを有効化する方法」https://support.soundcore.com/s/article/How-to-Enable-LDAC-on-soundcore-Space-A40-Earbuds(参照 2025-08-15)
[8] Rtings —「Anker Soundcore Space A40 Truly Wireless Review」https://www.rtings.com/headphones/reviews/anker/soundcore-space-a40-truly-wireless(参照 2025-08-15)
[9] Amazon US — Soundcore Space A40 商品ページ(市場価格の確認)https://www.amazon.com/Soundcore-Auto-Adjustable-Cancelling-Wireless-Headphone/dp/B0B1LVC5VZ(参照 2025-08-15)
[10] AVIOT — TE-A1 英語マニュアルページ(機種確認)https://aviot.jp/wp-content/themes/aviot/manual/te-a1/en/index.html(参照 2025-08-15)
[11] PR Newswire —「AVIOT、VGP 2020受賞モデルをCES 2020で展示」(0.1 dB単位のチューニング主張の記載)https://www.prnewswire.com/news-releases/aviot-showcases-latest-japan-vgp-2020-award-winning-models-at-ces-2020-300979656.html(参照 2025-08-15)

(2025.8.15)