KOJO Technology

総合評価
1.4
科学的有効性
0.1
技術レベル
0.5
コストパフォーマンス
0.4
信頼性・サポート
0.4
設計思想の合理性
0.0

仮想アース(Crystal E系)で知られる日本のアクセサリーメーカー。聴感・測定の有効性は裏付けが乏しく、より安価で測定確認済みの代替手段が存在します。

概要

KOJO Technology(株式会社光城精工のブランド)は1990年設立、青森県平川市に本社を置く日本メーカーです。ハイエンド向けの「仮想アース」ボックスやアースケーブル等を展開し、Crystal E/E-Gは多層異種金属の積層構造や非常に大きい有効導体表面積(E-Gは約68,000 cm²を標榜)などを訴求します。一方で、標準化されたオーディオ測定上の改善量は公表されていません。 [4][5][6][7][8][9]

科学的有効性

\[\Large \text{0.1}\]

同種の「シグナルグラウンド」系アクセサリーに対する第三者ベンチ測定では、THD・ノイズ/SNR・周波数特性・クロストーク等の指標で有意な改善が確認されない、あるいはノイズ成分が増える事例が報告されています。KOJOの資料は層構成や面積など構造的説明に留まり、音響性能の定量改善は提示されていません。可測な裏付けが乏しいため評価は低位です。 [1][5][6][7]

技術レベル

\[\Large \text{0.5}\]

Crystal Eは8層(ステンレス/真鍮/銅)スタック、M4端子×2、約775 g・80×111×35 mmなど堅実な作りです。限定E-Gはエッチング処理や内部コンデンサを追加。ただしコア概念の有効性が未実証であり、パッシブ機構としての工作品質は平均的と判断します。 [5][6][7]

コストパフォーマンス

\[\Large \text{0.4}\]

代表的な市場価格:Crystal E379.99 USD(目安 約5.2万円)、Crystal E-G699.99 USD(目安 約9.6万円)。対して、測定で実効性が確認されている対策はラインレベルのアイソレーショントランスで、例:Jensen ISO-MAX CI-1RR はベンチで高性能が示され、価格は約139.99 USDです。代表製品をCrystal Eとし比較すると:

  • 比較対象(機能・測定性能で同等以上):Jensen ISO-MAX CI-1RR(測定で低歪・低ノイズのアイソレーション)→ 139.99 USD
  • 対象:KOJO Crystal E → 379.99 USD。 [2][3][7][10][11]

CP = MIN(1.0, 139.99 ÷ 379.99) = 0.4
(参考:同一比較でE-G 699.99 USDなら 0.2。本スコアは普及度の高いCrystal Eに基づきます。) [2][3][7][10][11]

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.4}\]

1990年からの継続企業で、製品はパッシブ構造ゆえ物理的信頼性は高いはずです。一方、故障率や保証体制の透明なデータは見当たらず、拠点は日本中心で海外サポートの可用性に不確実性があります。 [4][8][9]

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.0}\]

可測な音質改善の提示よりも、層構造や面積といった音質と直結しない指標を前面に出す傾向が強く、測定ドリブンな設計思想とは言い難い状況です。購入者に誤った期待を与えるリスクがあり、技術的合理性は認めにくいと判断します。 [1][5][6][7]

アドバイス

実用的なノイズ低減・ハム対策には、適正な接地バランス接続、および測定で有効性が確認されたアイソレーショントランス等(例:Jensen ISO-MAX)を優先するのが合理的です。これらはKOJO製品より低コストで、結果も再現性があります。 [10][11]

参考情報

[1] Audio Science Review フォーラム, “Entreq ‘signal grounding’ Measurements”, https://www.audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/entreq-signal-grounding-measurements.476/(2025年8月14日参照)

[2] AccessoryJack, “KOJO Technology Crystal E Audiophile Ground Box”, https://www.accessoryjack.com/products/kojo-technology-crystal-e-audiophile-ground-box(2025年8月14日参照)

[3] MTMTAudio, “KOJO Technology Crystal E-G (Limited)”, https://www.mtmtaudio.com/products/kojo-technology-crystal-e-g-limited-edition-audiophile-ground-box-made-in-japan(2025年8月14日参照)

[4] 光城精工 直販サイト 会社情報(所在地), https://shop.kojo-tech.jp/html/company.html(2025年8月14日参照)

[5] 光城精工, Crystal E 仕様PDF, https://kojo-seiko.co.jp/img/news/20200524_1.pdf(2025年8月14日参照)

[6] 光城精工, Crystal Eop-G 資料PDF(表面積コンセプト), https://kojo-seiko.co.jp/img/news/250422.pdf(2025年8月14日参照)

[7] 相模オーディオ(販売店), Crystal E-G 詳細(約68,000 cm² 等の記載), https://sagamiaudio.co.jp/kojo-crystal-e-g/(2025年8月14日参照)

[8] 光城精工 公式サイト, https://kojo-seiko.co.jp/(2025年8月14日参照)

[9] 光城精工 – 取扱店/代理店向けページ(住所表記あり), https://kojo-seiko.co.jp/agency.html(2025年8月14日参照)

[10] Jensen Transformers – ISO-MAX 製品ライン/価格(CI-1RR), https://www.jensen-transformers.com/product_line/iso-max-2/(2025年8月14日参照)

[11] Audio Science Review, “Jensen ISO-MAX CI-1RR Review (Isolation Transformer)”, https://www.audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/jensen-iso-max-ci-1rr-review-isolation-transformer.24104/(2025年8月14日参照)

(2025.8.14)