LETSHUOER
2016年創立の中国系IEMメーカー。S12シリーズなど競争力のあるプライスの平面磁界型IEMで知られる
概要
LETSHUOERは2016年に設立された中国のオーディオ企業です。同社はオーディオファイルと音楽愛好家向けにインイヤーモニター、ヘッドホン、TWS、DAC/アンプ製品を開発しています。LETSHUOERは主にS12シリーズの平面磁界型IEMで広く認知され、30,000円以下の価格帯で競争力のある性能を提供しました。最上位モデルはCadenza 12で約2,299 USD相当の価格帯に位置づけられています [7]。
科学的有効性
\[\Large \text{0.6}\]LETSHUOERは平面磁界型ドライバー設計と公開仕様により、測定可能な性能を示します。代表例としてS12 Proは歪率0.5%±0.1%、感度102 dB、周波数応答20–20,000 Hzを公表しています [6]。S12系の周波数応答に関する第三者測定では、約8 kHz近傍の上位高域エネルギーと優れた拡張が確認され、より低価格でありながら「Timelessを解像度で上回る」との記述と整合します [2][3]。一方で、高域ピークの存在やメーカー公称歪率が透明基準に達しないことから、本評価は0.6に留めます(当サイト基準)。
技術レベル
\[\Large \text{0.7}\]LETSHUOERは既知技術の堅実な適用を行っています。カスタム14.8mm平面磁界型ドライバーや五軸CNCによる筐体は完成度が高く、S12 2024 Editionでは高精度CNCで加工したチタン合金チャンバーを採用しています [5]。ケーブルは多芯の銀メッキ単結晶銅などを用いる構成が一般的です。総じて、既存技術の最適化が中心で、物理や材料面のブレークスルーというよりは完成度の高さに強みがあります。
コストパフォーマンス
\[\Large \text{1.0}\]LETSHUOERは予算平面磁界IEMで優れたコストパフォーマンスを示します。代表としてS12 Proの実勢は169 USD [6]。同等以上の最安比較対象は7Hz Timelessの199.99 USDです [4]。等価性注記:いずれも平面磁界IEMで、ユーザー視点の機能と測定性能(感度・周波数応答クラス、FRの拡張・解像度)が同等以上であると判断します [2][3]。本日時点でこれより安価な同等以上は確認できず、よってCP=1.0とします。
信頼性・サポート
\[\Large \text{0.6}\]LETSHUOERは価格帯において業界標準のサポートと信頼性を提供しています。顧客フィードバックでは構築品質について混在した経験を示し、一部ユーザーは優れた耐久性を報告する一方、他では頻繁な破損を経験しています。同社は標準的な保証カバレッジを提供していますが、具体的な条件は地域と販売店により異なります。2016年設立の比較的新しいメーカーとして、長期信頼性データは限られています。ユーザーレビューでは一部モデルでのタイトフィット問題と時折の品質管理の一貫性不足に言及しています。同社は以前のバージョンからのチューニングと構築品質の懸念に対処したS12 2024エディションなどの製品改良を通じてフィードバックへの応答性を示しています。
設計思想の合理性
\[\Large \text{0.5}\]LETSHUOERの設計思想は合理的要素と疑問的要素の両方を示しています。技術性能向上のための平面磁界技術への注力は科学的理解を示し、平面ドライバーは過渡応答と歪み特性において測定可能な利点を提供します。以前の欠点に対処したS12 2024など改良バージョンのリリースという反復的アプローチは、測定性能データへの応答性を示しています。しかし、同社は時に純粋な測定主導の主張よりも主観的な「オーディオファイル」マーケティング言語を優先します。一部製品説明では正当な技術仕様と並んで「音楽性」など測定不可能な品質を強調しています。比例的性能向上なしに340,000円に近づく極端な高価格モデルへの進展は、純粋な技術的価値を超えた市場ポジショニングを示唆します。全体的に、設計思想は多くのChi-Fiブランドより合理的であるものの、純粋に科学ベースの最適化には及びません。
アドバイス
平面磁界性能を求める予算重視の読者には、S12シリーズは強力な選択肢です。より洗練を求める場合はS12 2024 Edition(チタン合金チャンバー採用)も選択肢です [5]。一方で高域ピーク由来の刺激を感じやすい方は注意し、装着・チップ選定を丁寧に確認することをおすすめします [2][3]。
参考情報
[1] LETSHUOER公式仕様(S12)、https://letshuoer.net/products/s12-hifi-earphones-planar-iems、2025年8月11日アクセス、感度102 dB/mW、FR 20–30,000 Hz(ページ表記) [2] Headphones.com S12レビュー、https://headphones.com/blogs/reviews/letshuoer-s12-planar-take-two、2022年1月26日公開、7Hz Timeless比較の記述 [3] Precogvision FR比較([2]本文リンク先、IEC-711)、https://precog.squig.link/?share=Shuoer_S12、2025年8月11日アクセス [4] Linsoul – 7Hz Timeless 価格、https://www.linsoul.com/products/7hz-timeless、2025年8月11日アクセス、199.99 USD [5] LETSHUOER – S12 2024 Edition ニュース(チタン合金チャンバー)、https://letshuoer.net/blogs/news/letshuoer-s12-2024-edition、2025年8月11日アクセス [6] Linsoul – LETSHUOER S12 Pro 仕様/価格、https://www.linsoul.com/products/letshuoer-s12-pro、2025年8月11日アクセス、169.00 USD;感度102 dB;歪率0.5%±0.1%;FR 20–20 kHz [7] Linsoul – LETSHUOER Cadenza 12 価格、https://www.linsoul.com/products/letshuoer-cadenza-12、2025年8月11日アクセス、2,299.00 USD
(2025.8.11)