Midas
測定主義で知られるイギリス発のプロフェッショナルミキシングコンソールブランド。2009年にMusic Tribe傘下となり、ライブ用途向けデジタル卓を中心に展開
概要
Midasは1970年、Jeff ByersとCharles Brookeによりロンドンで創業し、ツアー用途を中心にプロ向けミキシングコンソールで評価を築いてきた企業です。2009年にはMidasとKlark TeknikがMusic Tribeグループに加わり、現在もライブサウンドとレコーディング向けにデジタル卓を展開しています[5][6]。初期から大規模ツアーでの採用実績があり、同社の「PRO」マイクプリアンプ系譜は現行デジタル製品にも継承されています[5][8]。
科学的有効性
\[\Large \text{0.8}\]代表機のM32 LIVE(メーカー公称値)では、アナログ入出力で動作帯域22Hz–22kHz(unweighted)におけるダイナミックレンジ106dB、A/DおよびD/Aの単体ダイナミックレンジは各109dB(典型)、1kHzでの隣接チャンネル間クロストーク除去は100dB、0dB〜-1dB(20Hz–20kHz, 48kHz動作)とされ、マイク入力のTHD+Nは0dBゲイン時で0.01%未満です[1]。可聴域内での周波数応答直線性、歪・ノイズ指標はいずれも透明域に達しており、同社の現行デジタル卓は測定上の透明性を概ね満たします(独立測定は限定的なため、数値はメーカー公称値として扱います)[1]。
技術レベル
\[\Large \text{0.6}\]M32系は40ビット浮動小数点処理エンジン、Cirrus Logicコンバーター群、PROシリーズ系のプリアンプを採用し、設計・実装は業務用途に即した成熟技術の統合です[1]。筐体はスペースフレーム構造で、サブフレームの一部にカーボンファイバーとアルミニウムを用いるとされています[2]。特許性の高い独自アルゴリズム等の公開情報は限られる一方、測定指標に直結する要素に投資が向けられている点は評価できます。
コストパフォーマンス
\[\Large \text{0.5}\]評価は同等以上の機能・測定性能を満たす最廉価品との比較で行います。対象としてBehringer X32(40入力/25バス、同等帯域でのアナログ入出力ダイナミックレンジ106dB、1kHzクロストーク100dB等の公称仕様)を選定します[4][9]。米国の代表的市場価格はM32 LIVEが4,949 USD[3]、X32が2,239 USD[4]です。
計算:2,239 USD ÷ 4,949 USD = 0.452 … → 四捨五入で0.5。
(参考:国内代表価格はM32-LIVE 429,000円、X32 328,000円[10][11]。本スコアは英日整合のためUSD基準で算出しています。)
等価性の根拠(要約):40チャンネル処理/25ミックスバス、アナログ入出力ダイナミックレンジ106dB級、1kHz隣接チャンネルクロストーク100dB級、可聴帯域における周波数応答-1dB以内(いずれもメーカー公称値)[1][4][9]。
信頼性・サポート
\[\Large \text{0.6}\]購入後90日以内の登録で標準1年から最長3年保証へ延長可能です[7]。グローバルなサポート・RMA導線が提供され、プロ用途向けの運用を想定した体制です[7]。物理可動部ではPROモーターライズドフェーダーが100万回サイクルの耐久を謳い、機械的寿命面の配慮が見られます[8]。実地の故障率データは公開情報が限られるため平均とし、保証延長(+0.1)とグローバル体制(+0.1)を加味しつつ穏当な評価としました。
設計思想の合理性
\[\Large \text{0.7}\]同社は歪・ノイズ・ダイナミックレンジ・クロストーク等の測定指標を重視し、可聴域の透明性を工程全体で狙う実装が中心です[1]。装飾的なオカルト要素に依拠せず、デジタル処理とI/O設計の堅実な最適化で品質を確保する方針は合理的といえます。一方、同等性能をより低価格で提供する代替手段が存在する領域もあり、価格戦略はブランドの歴史性に依存する側面が残ります[3][4][9]。
アドバイス
ツアー/常設での安定運用や入出力管理の容易さ、シーン/スナップショットを含むワークフロー整備を重視する現場では、Midas M32系は測定上の透明性とUIの完成度で堅実な選択肢です[1]。一方で、純粋な機能・測定性能を主眼に最小コストで達成したい場合、X32は同等クラスの処理/仕様を大幅に低価格で提供します[4][9]。ステージボックスやカード類まで含めた総システム価格で比較検討し、必要チャンネル数・I/O構成・運用サポート条件(保証登録)を事前に確定してから選択することをおすすめします[3][7][10][11]。
参考情報
[1] Midas, “Midas M32 Datasheet,” https://prosoundonline.com/wp-content/uploads/Midas_M32_Datasheet.pdf(22Hz–22kHz, unweighted、周波数応答@48kHz 20Hz–20kHz 0dB〜-1dB、他), 参照日2025-08-24.
[2] Midas, “Product | M32 / M32 LIVE,” https://www.midasconsoles.com/product.html?modelCode=0603-AEO(カーボンファイバーとアルミのサブフレームに関する説明), 参照日2025-08-24.
[3] Sweetwater, “Midas M32 LIVE 40-channel Digital Mixer,” バンドル掲載価格に個別価格の明記あり 4,949 USD, https://www.sweetwater.com/store/detail/M32Live–midas-m32-live-digital-mixer/bundles , 参照日2025-08-24.
[4] Sweetwater, “Behringer X32 40-channel Digital Mixer,” 2,239 USD, https://www.sweetwater.com/store/detail/X32–behringer-x32-digital-mixer , 参照日2025-08-24.
[5] Midas, “Our Story,” https://www.midasconsoles.com/our-story.html , 参照日2025-08-24.
[6] FOH Online, “Behringer Buys Midas,” https://fohonline.com/newsroom/international-news/behringer-buys-midas/ , 2009-12-09.
[7] Midas, “Support | Warranty Terms & Conditions,” https://www.midasconsoles.com/service/service-warranty.html?modelCode=0603-AEF , 参照日2025-08-24.
[8] Prase Engineering, “Midas Serie LIVE(PDF),” https://www.prase.it/wp-content/uploads/Midas-Serie-LIVE.pdf(モーターライズドフェーダー100万回ライフサイクル), 参照日2025-08-24.
[9] Full Compass(Behringer資料), “X32 CORE Brochure(PDF),” https://www.fullcompass.com/common/files/18294-BehringerX32CoreBrochure.pdf(106dB A-in/A-out、1kHzクロストーク100dB等), 参照日2025-08-24.
[10] サウンドハウス, “MIDAS M32-LIVE,” https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/265418/ , 参照日2025-08-24.
[11] サウンドハウス, “BEHRINGER X32,” https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/164867/ , 参照日2025-08-24.
(2025.8.24)