3e Audio A7

参考価格: ? 45000
総合評価
4.4
科学的有効性
0.9
技術レベル
0.7
コストパフォーマンス
1.0
信頼性・サポート
0.8
設計思想の合理性
1.0

PFFB技術を搭載したTPA3255クラスDステレオアンプ。小型で高出力・低歪みを両立します

概要

3e Audio A7は、各チャンネルにTPA3255×1(PBTL)を用いたデュアルモノ構成のクラスDステレオ・パワーアンプです。ポストフィルターフィードバック(PFFB)により負荷依存性を低減し、XLR/TRSコンボのバランス入力とRCA入力、ボリュームバイパス、DIP-8の交換式OPA(OPA1612A標準)を備えます。A7シリーズは2024年リリースで、SKUによっては48V/10A電源が同梱されます。 [2][5][1]

科学的有効性

\[\Large \text{0.9}\]

メーカー公表値(A7/バランス入力):THD+N 0.0006% @ 5W(4/8Ω)、SNR 126 dB(A-wt, 1% THD+N, 1 kHz)、ダイナミックレンジ 126 dB、周波数応答 20 Hz–35 kHz(±0.5 dB)、ノイズ <15 µVrms、クロストーク −110 dB、ゲイン 20 dB、感度 3.5 Vrms。RCAでもTHD+N 0.0007% @ 5W、SNR 123 dBと同等水準です。 [1]

第三者データ(A7ファミリー):同一世代PFFBプラットフォームのA7 Mono計測では、1–5 W付近でTHD+N−100 dB未満、4Ωで<0.1% THD+Nを満たす200 W超の「ハイファイ電力」を確認。出力インピーダンスは約10 mΩ強(ダンピングファクター概算約400@4Ω)。プラットフォームとしての透明性と余裕を裏付けます。 [4][3]

上記より、FR、THD+N、S/N、DR、クロストーク、ダンピングの各指標は透明性基準を十分に満たします。

技術レベル

\[\Large \text{0.7}\]

確立済みのTPA3255を用いつつ、PFFB実装、低出力インピーダンス、バランス入出力交換式OPAなど実装品質で差別化する進化的設計です。チップ自体は新規性に乏しい一方、基板設計や帰還ネットワーク最適化により測定性能を引き上げています。 [1][2][3]

コストパフォーマンス

\[\Large \text{1.0}\]

分母(本機)300 USD(日本語記事では 45,000円(300 USD)を併記)。

より安価で機能(バランス入力など)かつ測定性能・出力同等以上の完成品ステレオ機を調査しましたが、現時点で該当なしでした:

  • Fosi V3(ステレオ):安価だがRCAのみで機能同等を満たさず。 [10]
  • Fosi ZA3(バランス):XLR/TRSは有するものの、独立計測でSINADが低い(≲89 dB)ため測定性能が不足。 [6]
  • TOPPING PA5 II/II+(バランス):低レベル歪は良好だが、最大出力が約100–125 W/4Ω(1%)で、A7の250 W/4Ω(1%)から大幅に不足。 [7][8][12]

よってより安い同等以上品が存在しないため、定義によりCP=1.0です。 [1][5]

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.8}\]

可動部のないクラスD構成と保守性の高い前段設計は信頼性に寄与します。さらに最近のアップデート自動電源オフ時間が20分に延長され、オーディオ検出感度RCA 200 µVrms/XLR 400 µVrmsへ改善、自動検出の有効/無効切替も追加されました。小売SKUでは48V/10A電源が同梱される構成が一般的です。発売間もないため長期データは限定的です。 [5][1]

設計思想の合理性

\[\Large \text{1.0}\]

負荷依存を抑えるPFFB高出力余裕バランス入力必要十分な機能のみという構成で、コストは測定で確認できる透明性の向上(FR、THD+N、S/N、クロストーク、ダンピング)に集中しています。過度な外装や虚飾はありません。 [1][3][4]

アドバイス

バランス入力を備え、2–16Ωに対応しつつ、4Ωで250 W(1% THD+N)級の出力と透明性を両立した小型パワーアンプを求める用途に適しています。コスト最優先でRCAのみでも良いならより安価な選択肢(例:Fosi V3)はありますが、本レビューの同等条件(機能+測定性能+出力)には達しません。 [1][5][6][10]

参考情報

[1] 3e Audio, “A5/A7/A7 Mono User Manual(2024年11月)”:A7(SE/バランス)の詳細仕様、FR/THD+N/SNR/DR/クロストーク、オート検出の説明。https://www.3e-audio.com/wp-content/uploads/2024/11/A5_A7_A7-Mono-User-Manual_202411.pdf(2025-08-26 参照)
[2] 3e Audio, “A5x A7x Series Next-Gen PFFB Amplifier”:製品概要とマニュアル。https://www.3e-audio.com/finished-amp/a5x-a7x-series/(2025-08-26 参照)
[3] Archimago’s Musings, “Part I: 3e Audio A5 Stereo & A7 Mono – features & initial measurements”:PFFBプラットフォームの解説。https://archimago.blogspot.com/2024/11/part-i-3e-audio-a5-stereo-and-a7-mono.html(2024-11-30)
[4] Archimago’s Musings, “Part II: 3e Audio A5 Stereo & A7 Mono – power & distortion”:THD+N最小値(−100 dB未満)、4Ωでの実用出力、出力インピーダンス約10 mΩ。https://archimago.blogspot.com/2024/12/part-ii-3e-audio-a5-stereo-and-a7-mono.html(2024-12-11)
[5] Audiophonics, “3E Audio A7 Class D Stereo Amplifier (2×TPA3255)”製品アップデート(自動オフ20分、検出200/400 µVrms、有効/無効切替)および48V/10A電源同梱の記載。https://www.audiophonics.fr/en/integrated-amplifiers/3e-audio-a7-p-20372.html(2025-08-26 参照)
[6] Erin’s Audio Corner, “Fosi Audio ZA3”:バランス対応の測定(SINAD/SNR/ノイズ)。https://erinsaudiocorner.com/electronics/fosi_za3/(2024-03-16)
[7] Apos Audio, “TOPPING PA5 II Plus”:バランス入力、THD+N @5W、出力仕様。https://apos.audio/products/topping-pa5ii-plus-amplifier(2025-08-26 参照)
[8] Archimago’s Musings, “Topping PA5 Mk II Plus – power”約102 W/4Ω @0.1% THD+N約125 W/4Ω @1%の測定。https://archimago.blogspot.com/2023/10/part-ii-topping-pa5-mk-ii-plus-pa5ii.html(2023-10-28)
[10] ASR, “Fosi Audio V3 amplifier review”:機能(RCAのみ)と価格の文脈。https://www.audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/fosi-audio-v3-amplifier-review.45757/(2023-06-20)

(2025.8.25)