Audio-Technica ATH-CK100

参考価格: ? 56700
総合評価
2.3
科学的有効性
0.5
技術レベル
0.6
コストパフォーマンス
0.0
信頼性・サポート
0.6
設計思想の合理性
0.6

当時としては堅実な設計のトリプルBA IEMですが、測定で非劣位の超低価格品と比べるとコストパフォーマンスは極めて低いです。

概要

ATH-CK100は、2ウェイ3ドライバー(中高域×2+低域×1)のトリプルBA構成とチタン筐体を採用した当時のフラッグシップIEMです。公称は20 Hz–18 kHz113 dB/mW23 Ωで、発売時価格は56,700円、海外MSRPは649.99 USDでした。発売時には「世界最小のトリプルドライバーIEM」を謳っています[1][2]。

科学的有効性

\[\Large \text{0.5}\]

上限が18 kHz止まりで可聴20 kHzを満たしません[1]。感度113 dB/mW・インピーダンス23 Ωは携帯機との整合に十分ですが、CK100自体の網羅的第三者測定(THD等)は公開を確認できないため、包括的測定が不明時の基準 0.5 を適用します[1][2]。

技術レベル

\[\Large \text{0.6}\]

小型多BA実装やチタン筐体など当時としては良好ですが、現在は低価格機でも同等水準の実装が一般化しています。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{0.0}\]

比較対象は方式やクラスを問わず測定性能で非劣位かつ最安の製品:KZ EDC Pro

  • 第三者測定(RAA):プロレポートに平均インピーダンス約27 Ω90 dB SPLに必要な電圧 −39.1 dBVが掲載。これより換算される感度は約113.4 dB SPL/mWで、CK100の113 dB/mW劣りません。同レポートでフルバンドの周波数応答も閲覧できます[4]。
  • 公式価格14.00 USD(KZ公式ストア)[3]。

USDベースの比較で比率は概ね0.022となり、本スケールでは0.0評価です。よって、本機のコスパは極めて低いと判断します。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.6}\]

米国の2年限定保証は、ユーザーが元払い(prepaid)で正規拠点へ送付する規定です。検証済み保証修理では返送送料・部品・工賃がカバーされます[5]。ただし生産終了機のため部品供給の長期確保は不透明です。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.6}\]

IEMに適した多BA実装と剛性筐体という音響的合理性はありますが、測定で裏付く優位を現在の市場に対して示し続けるには価格が高すぎます。

アドバイス

実用購入は非推奨です。客観指標を重視するなら、KZ EDC Proのように第三者測定が整った最安の基準機を起点に、現行で測定公開のあるモデルを検討してください[3][4]。

Reference

[1] AV Watch(発売記事・仕様/価格): https://av.watch.impress.co.jp/docs/20081016/autech1.htm
[2] The Headphone List(MSRP 649.99 USD): https://theheadphonelist.com/audio-technica-ath-ck100/
[3] KZ公式ストア – EDC Pro(価格 14.00 USD): https://www.kzheadphones.com/products/kz-edc-pro-earbuds-dynamic-in-earphones
[4] Reference Audio Analyzer – KZ EDC Pro 測定レポート: https://reference-audio-analyzer.pro/report/hp/kz-edc-pro.php
[5] Audio-Technica US – 2年限定保証(prepaid送付): https://www.audio-technica.com/en-us/support/us-two-year-limited-end-user-warranty

(2025.9.5)