Audio-Technica ATH-M50xSTS StreamSet
ATH-M50xドライバーと20シリーズマイク技術を融合したプロ仕様ストリーミングヘッドセット。デュアル接続オプションとプロ品質の作りを持つが、プレミアム価格設定
概要
ATH-M50xSTS StreamSetは、Audio-Technicaが2024年に発売した初のプロ仕様ストリーミングヘッドセットです。伝説的なATH-M50xスタジオヘッドホンの45mmドライバーと、同社の実績ある20シリーズマイク技術を組み合わせた製品です。24ビット/96kHz A/Dコンバーター内蔵のUSBタイプと、プロオーディオインターフェース用のXLRタイプの2種類で展開され、スタジオグレードの音響性能を求めるコンテンツクリエイターを対象としています。標準的なM50x用イヤーパッドと通気性の良いメッシュ・レザーレットイヤーパッドが付属し、カーディオイド指向性パターンのフリップ式ミュートブームマイクを備えています。
科学的有効性
\[\Large \text{0.6}\]公開仕様に基づく数値で主要性能が裏付けられています。ヘッドホン部は周波数特性 15–28,000 Hz、感度 99 dB/mW、インピーダンス 38 Ω、最大入力 1,600 mW。ブームマイクは背面エレクトレットのカーディオイドコンデンサーで、50–20,000 Hz(3 cm)、感度 −44.5 dB(1 V/Pa、1 kHz)を公称。USBモデルは24ビット/96 kHzのA/Dとサイドトーン機能を備えます。第三者機関による網羅的な測定(THDや遮音カーブ等)が不足しているため上振れは限定的ですが、メーカー提示の測定値が一定の妥当性を支えます。
技術レベル
\[\Large \text{0.6}\]Audio-Technicaは、実績のあるM50xドライバーと20シリーズ由来のマイク設計をストリーミング用途へ統合しています。USB版はモニター回路・イヤーカップ操作を含む現代的なA/D実装を備えます。一方で先端DSPやAIノイズ低減など革新的要素は限定的で、成熟技術の合理的統合に留まります。
コストパフォーマンス
\[\Large \text{0.7}\]米国での一般的な販売価格は約 229 USDです。USB動作・ブームマイク・本体操作系といったストリーミングに本質的な機能で劣らない機種のうち、beyerdynamic MMX 150は約 149 USDで入手可能です(USB接続とMETA VOICEブームマイクを搭載)。
コストパフォーマンス算出式: 149 USD ÷ 229 USD = 0.65。
この同等機能比較に基づき、本機のコストパフォーマンスは中程度と評価します。
信頼性・サポート
\[\Large \text{0.6}\]Audio-Technicaは米国で標準2年保証を提供し、正規修理網を含むサポート体制が整っています。M50x系の実績ある構造を継承しており耐久性は概ね良好と見込まれますが、マイクやUSB等の追加要素はシンプルなヘッドホンに比べて潜在的故障点を増やします。総合的には平均以上の期待値です。
設計思想の合理性
\[\Large \text{0.7}\]測定に裏付けられた要素(ドライバー/マイク)をストリーミング用途へ的確に配分し、USB/XLRの二系統でユーザー要件を過不足なく満たします。一方、価格面の説得力は同等機能の低価格代替に対してやや弱く、価値訴求の合理性は限定的です。
アドバイス
プラグ&プレイの簡便性(USB)や既存I/F活用(XLR)を重視し、統合型ヘッドセットで配信環境を整えたい方に適しています。コスト優先なら、beyerdynamic MMX 150のようなUSB・同等機能を備えた低価格機も検討する価値があります。
参考情報
- Audio-Technica — ATH-M50xSTS StreamSet(公式): https://www.audio-technica.com/en-eu/ath-m50xsts
- Audio-Technica — ATH-M50xSTS-USB StreamSet(公式・仕様): https://sea.audio-technica.com/ATH-M50XSTS-USB-StreamSet
- Audio-Technica — 米国2年保証: https://www.audio-technica.com/en-us/support/us-two-year-limited-end-user-warranty
- beyerdynamic — Gaming(公式。MMX 150掲載あり): https://global.beyerdynamic.com/gaming
(2025.9.5)