Barefoot Sound Footprint01

参考価格: ? 662925
総合評価
2.9
科学的有効性
0.4
技術レベル
0.6
コストパフォーマンス
0.8
信頼性・サポート
0.6
設計思想の合理性
0.5

独自技術を搭載したハイエンドスタジオモニターですが、コストパフォーマンスの課題と測定上の制限により、透明な特性を得るためにはEQ補正が必要です。

概要

Barefoot Sound Footprint01は、同社独自のDual-Force™対向サブウーファー技術とMulti-Emphasis Monitor Emulation™ (MEME) DSP処理を搭載した3ウェイアクティブスタジオモニターです。プロフェッショナルスタジオ用途向けに設計され、8インチペーパーコーン・サブウーファー2基、4インチアルミニウムコーン・ミッドレンジドライバー、1インチデュアルリング・ラジエーター・ツイーターを搭載しています。総出力650Wと先進的なDSPクロスオーバー技術により、Footprint01は重要なリスニング環境でのリファレンスモニタリングに対するBarefoot Soundのアプローチを体現しています。

科学的有効性

\[\Large \text{0.4}\]

Footprint01の測定性能は問題レベルと透明レベルの中間に位置します。ASRによるCEA/CTA-2034 ANSI準拠の包括的測定では、約100Hzから10kHzにかけて周波数応答の変動が明らかになり、スピーカーの嗜好スコアは6.0(EQ使用時7.5)でした[1]。重要な測定結果では、フラットレスポンスを達成するためにEQ補正が必要な大きな偏差が示されました。ASRは未調整状態では「スタジオモニターらしくない音」と指摘しており、これはメーカーが主張する36Hz - 45kHz応答特性と対照的です。最大SPL 113dB連続出力はこのカテゴリーのスピーカーとして適切なレベルを満たしますが、周波数応答の不規則性と記録された性能問題により、透明なモニタリング性能にはEQ最適化が必要です。

技術レベル

\[\Large \text{0.6}\]

Footprint01は、振動キャンセレーション用のDual-Force™対向サブウーファー技術、デュアルリング・ラジエーター・ツイーター設計、Multi-Emphasis Monitor Emulation™ (MEME) DSP技術により、堅実な技術的成果を示しています[2]。実装には先進的なDSPクロスオーバーシステムと4つの選択可能なボイシングモード(Old School、Cube、Hi-Fi、Flat)が含まれます。しかし、設計は現代の競合製品で見られる先進的なデジタル統合よりもアナログ/機械的ソリューションに大きく依存しており、革新的な独自機能にもかかわらず技術的進歩が限定されています。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{0.8}\]

ペア価格662925円 (4495 USD)のFootprint01は、深刻なコストパフォーマンス課題に直面しています。ADAM Audio A8Hはペア価格501500円 (3400 USD)で同等以上の機能を提供し、比較可能な周波数延長(34Hz-42kHz vs 36Hz-45kHz)、室内適応EQを含む先進的なDSP処理能力、そして116dB最大SPLでFootprint01の113dB連続出力を上回るプロフェッショナルモニタリング性能を実現します[3]。A8Hの3ウェイトライアンプ設計(500W総合)、パラメトリックEQ、Sonarworks統合、イーサネット制御により、スタジオ用途向けの同等のユーザー向け機能を提供します。CP = 501500円 ÷ 662925円 = 0.756 → 0.8。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.6}\]

Barefoot Soundは、エレクトロニクス3年、ドライバー1年の平均以上の保証範囲を提供し、service@barefootsound.comを通じた確立されたメーカーサービスによってサポートされています[4]。同社は直接メーカーバッキングによる包括的なサポートインフラを提供します。ただし、複数のアンプとドライバーを持つ複雑な3ウェイアクティブ設計は、よりシンプルな設計と比較して本質的に高い故障可能性を生み出し、延長保証範囲とのバランスを取っています。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.5}\]

Footprint01は設計思想に対する混合アプローチを表しています。実用的なスタジオ用途向けのMEME技術などの先進的なDSP機能を組み込む一方で、同等性能の代替品に対する大幅な価格プレミアムは、測定可能な性能向上に向けてコストが最適に配分されていないことを示唆しています[5]。設計思想は合理的要素(DSP統合、Dual-Force™技術による振動制御)と実証された性能上の優位性よりも独自技術を優先する疑問のあるコスト配分決定の両方を示しています。

アドバイス

Footprint01は、専門的なDSPエミュレーション機能を備えたリファレンスモニタリングを必要とするプロフェッショナルユーザーを対象としています。EQ補正を必要とする測定上の制限と代替品に対する大幅なコスト増の組み合わせにより、ほとんどの用途での魅力は限定されます。MEMEモニターエミュレーション技術やBarefoot独自のDual-Force™ウーファー技術を特に必要とするユーザーは、独特な機能セットに価値を見出すかもしれません。しかし、測定性能対価格を重視するユーザーには、ペア価格501500円 (3400 USD)のADAM Audio A8Hなどの代替品を検討すべきです。これは同等のモニタリング機能、先進的なDSP能力、包括的な室内補正機能を大幅に低いコストで提供します。

参考情報

  1. Audio Science Review, Barefoot Footprint 01 Review (Studio Monitor), https://www.audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/barefoot-footprint-01-review-studio-monitor.23524/, 2025-09-14参照, ~65°FでのCEA/CTA-2034 ANSI準拠測定、ツイーター上部LEDを基準軸とする
  2. Vintage King, Buyer’s Guide: Barefoot Sound Monitors, https://vintageking.com/blog/2019/08/buyers-guide-barefoot-sound-monitors/, 2025-09-14参照
  3. ADAM Audio, A8H Active Studio Monitor, https://www.adam-audio.com/en/a-series/a8h/, 2025-09-14参照, 34Hz-42kHz周波数応答、500Wトライアンプ DSPモニター
  4. Barefoot Sound, Service Request, https://barefootsound.com/service-request/, 2025-09-14参照
  5. Barefoot Sound, Footprint01, https://barefootsound.com/footprint01/, 2025-09-14参照

(2025.9.14)