概要

Beyerdynamic DT 990 PROは、長年ドイツで生産が続く定番のオープンバック型スタジオヘッドフォンです。80Ω/250Ωの2種があり、250Ω版は片側カールコードと交換可能部品を備え、耐久性とメンテナンス性を重視しています。

科学的有効性

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全体は明るめで低域は控えめ、中高域に元気さが出る傾向です。RTINGS（Test Bench 2.0）は Bass Amount −1 dB、Treble Amount 0 dB、PRTF精度(RMS) 2.35 dB、WHD 0.06%（94 dB SPL）/ 0.19%（104 dB SPL）、感度 103.6 dB SPL（1 kHz-1 V）を報告しています[1]。Reference Audio Analyzerは 感度 99.9 dB SPL、実測インピーダンス 268.7 Ω（250Ω版）を報告しています[2]。

技術レベル

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頑丈さと可サービス性を優先したダイナミック型オープンバック構造です。内蔵DSPや新世代ドライバー（例：PRO X系“Stellar.45”）は非搭載で、250Ω版のケーブルは固定。先進性より熟成を選ぶ設計です。

コストパフォーマンス

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基準価格：180 USD。同等以上（劣らない）の測定性能で最も安価な候補は Sennheiser HD 560S（149 USD）。RTINGS v2.0のAudio Reproduction Accuracy 8.1は、DT 990 PRO（7.9）を上回ります[1][5][6]。
CP = 149 / 180 = 0.83（USDベース）。

信頼性・サポート

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2年間のメーカー保証と部品供給・修理体制があります。ドイツ製造、交換式イヤーパッド、長期継続モデルという点で、長く使い続けやすいサポート体制です[3][4]。

設計思想の合理性

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目的と制約：長寿命・快適性・広がりのある明瞭感を重視。
トレードオフ：固定ケーブルやDSP非搭載など利便性や最新技術を抑える一方、整備しやすい堅牢構造を採用。
整合性：ミキシング/マスタリング用途をうたう一方で、実際の音傾向はニュートラル基準からやや明るめに外れます。ディテール確認には有利ですが、厳密なリファレンス性とは部分的にずれます。
継続性：長期供給と部品対応は強み。
総合すると、設計の狙いは明確で一貫していますが、ニュートラル基準のリファレンス用途との部分的不一致により評価は中位にとどまります。

アドバイス

明るく開放的な鳴りで編集やディテール確認を重視する方に適しています。よりニュートラルな基準を低コストで求める場合は、同じ機能カテゴリのSennheiser HD 560Sが有力です。

参考情報

[1] RTINGS.com – Beyerdynamic DT 990 PRO Review, https://www.rtings.com/headphones/reviews/beyerdynamic/dt-990-pro
[2] Reference Audio Analyzer – Beyerdynamic DT 990 Pro 250 ohm, https://reference-audio-analyzer.pro/en/report/hp/beyerdynamic-dt-990-pro-250.php
[3] 公式製品ページ – Beyerdynamic DT 990 PRO, https://north-america.beyerdynamic.com/p/dt-990-pro
[4] Beyerdynamic Warranty, https://north-america.beyerdynamic.com/service-support/warranty
[5] RTINGS.com – Sennheiser HD 560S Review, https://www.rtings.com/headphones/reviews/sennheiser/hd-560s
[6] Sennheiser HD 560S（公式）, https://www.sennheiser-hearing.com/en-US/p/hd-560s/

(2025.9.3)