beyerdynamic MMX 300
堅牢な作りと有線の安定性は魅力だが、高域の強さと機能面の古さに対して価格競争力が弱いモデルです
概要
beyerdynamic MMX 300(第2世代)は、DT 770系譜を受け継ぐドイツ製の有線プレミアムゲーミングヘッドセットです。32 Ωのダイナミックドライバー、一体型(非着脱)のブーム型コンデンサーマイク、用途別に使い分けられる着脱式ケーブル(1.2 m/2.5 m)が付属します。無線やソフトウェアDSPよりも、堅牢性と素直な有線運用を重視する設計です[1][2]。
科学的有効性
\[\Large \text{0.4}\]第三者測定では、下位中域(約200–500 Hz)の落ち込みと6–8 kHzの顕著なピークが報告され、ニュートラルからの乖離が見られます[2]。メーカー公称は周波数特性 5–35,000 Hz、インピーダンス 32 Ω、感度 96 dB、THD < 0.2%、遮音 ≈ 18 dBA、マイク周波数特性30–18,000 Hzです[1]。ゲーム用途としては十分ながら、高域強調と平均的な遮音により「透明」域には達しません。
技術レベル
\[\Large \text{0.6}\]精密な組立と頑丈な素材に支えられた成熟設計です。一方でANCや無線、オンボードDSP/EQといった現代的機能は非搭載で、技術的進歩は限定的です[1][2]。
コストパフォーマンス
\[\Large \text{0.3}\]比較はUSDで統一します。MMX 300の想定価格は229 USD(分母)。同等以上の最安比較対象はHyperX Cloud III(有線)で、公式ストア価格は79.99 USDです[3]。
同等性メモ: いずれも有線・密閉・ブームマイクを備え、第三者測定ではCloud IIIがよりバランスの取れた周波数応答と同等の遮音、両者とも低歪みが報告されています[2]。
CP = 79.99 USD ÷ 229 USD ≈ 0.35 → 0.3。
信頼性・サポート
\[\Large \text{0.8}\]公式ページで最長2年の保証表記があり、堅牢な筐体と交換可能部品により長期使用に向きます[2]。
設計思想の合理性
\[\Large \text{0.7}\]「有線の堅牢さを重視する」という方針自体は合理的です。しかし、測定上の優位や利便機能の裏付けが薄く、より安価な有線機で代替可能な点が多いため、一般ユーザーに対する説得力は限定的です。
アドバイス
ドイツ製の堅牢な有線ヘッドセットを求め、高域の明るさを許容できる方には選択肢になり得ます。多くのユーザーには、同等機能で測定上も良好なHyperX Cloud III(有線)が価格対効果の面で有利です。無線やEQ/ANCが必要なら他機種を検討すべきです。
参考情報
[1] beyerdynamic – MMX 300 仕様書(DAT_MMX300_EN_A2.pdf),主要値:FR 5–35,000 Hz/32 Ω/96 dB/THD < 0.2%/遮音 ≈ 18 dBA/マイクFR 30–18,000 Hz/付属ケーブル長。2025-08-26参照。https://api.beyerdynamic.de/amfile/file/download/file/867/
[2] RTINGS.com – Beyerdynamic MMX 300 (2nd Generation) レビュー,下位中域の落ち込みと6–8 kHzピーク。2025-08-26参照。https://www.rtings.com/headphones/reviews/beyerdynamic/mmx-300-2nd-generation
[3] HyperX 公式ストア – Cloud III(有線),79.99 USD(アクセス時点)。2025-08-26参照。https://hyperx.com/products/hyperx-cloud-iii-wired-gaming-headset
(2025.8.26)