Edifier NeoBuds Pro 2

総合評価
2.2
科学的有効性
0.2
技術レベル
0.4
コストパフォーマンス
0.5
信頼性・サポート
0.7
設計思想の合理性
0.4

Edifier NeoBuds Pro 2は13dBの補正が必要な12kHz付近の深刻な周波数特性問題と、50dB宣伝に対し実測38dBのANC性能により、科学的有効性が著しく低い。

概要

Edifier NeoBuds Pro 2は2023年に発売されたVGP2024金賞受賞製品で、動的ドライバーとKnowles社製バランスドアマチュアドライバーを組み合わせたハイブリッド構成の完全ワイヤレスイヤホンです。EDIFIER WIDE-BAND MULTI-CHANNEL ANC技術により最大50dBのアクティブノイズキャンセリング、LDAC・LHDC高音質コーデック対応、Hi-Res Audio認証など、上位機種に匹敵する機能を19,990円で提供します。360度空間オーディオ、IP54防水性能、最大22時間の連続再生など、実用的な機能も充実しています。

科学的有効性

\[\Large \text{0.2}\]

実測データで12kHz付近の深刻な周波数特性問題が明らかになり、フラット特性に補正するために13dBの調整が必要です。この逸脱レベルは理想的な±0.5dBの透明レベルおよびヘッドホンの±3dB問題レベルを大幅に超えています。また、宣伝される50dB ANC性能に対し、実測では最大38dBの減衰にとどまり、主張と実測の乖離が確認されています。ハイブリッド構成による20Hz-40kHzの再生能力を謳うものの、大幅な周波数特性の歪みがすべての潜在的効果を無効化しています。実測データによる問題により科学的有効性は著しく低い評価となります。

技術レベル

\[\Large \text{0.4}\]

動的ドライバーとKnowles社製BAドライバーの組み合わせにデジタルクロスオーバーを採用した技術は業界標準以上の水準です。EDIFIER WIDE-BAND MULTI-CHANNEL ANC技術は技術的に包括的ですが、実際の性能は宣伝仕様を下回っています。LDAC・LHDC高音質コーデック対応、Hi-Res Audio認証、360度空間オーディオなど、技術的な実装は充実しています。しかし、深刻な周波数特性チューニングの失敗は、先進技術を台無しにする根本的なエンジニアリング問題を示しており、技術レベルは平均以下の評価となります。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{0.5}\]

Edifier NeoBuds Pro 2の価格は19,990円ですが、同等以上の機能を持つAnker Soundcore Liberty 4 NCが9,990円で入手可能です。Liberty 4 NCも同様にLDAC対応・ANC機能・長時間再生を備えており、機能面での直接比較が可能です。ただし、NeoBuds Pro 2の50dB ANC性能はLiberty 4 NCを上回る水準であり、この差を考慮する必要があります。CP = MIN(1.0, 9,990円 ÷ 19,990円) = 0.50となり、0.5に四捨五入されます。50dB ANC性能という差別化要素を考慮すると、コストパフォーマンスは平均的な水準となります。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.7}\]

Edifierは世界的なオーディオブランドとして確立しており、製品の品質管理は業界標準以上です。日本市場での正規販売体制、適切な保証期間、アプリによるファームウェア更新対応など、サポート体制は整っています。IP54防水性能、堅牢な筐体設計により、日常使用での耐久性は十分です。ただし、長期的な故障率データは限定的であり、最高水準とは言えません。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.4}\]

ハイブリッドドライバー構成やデジタルクロスオーバーの採用は技術的に合理的ですが、実際の音質チューニングは深刻な問題があります。13dBの補正が必要な12kHz付近の大幅なピークは根本的なチューニング失敗を表し、Hi-Res Audio認証の目的に反しています。この程度の周波数特性の歪みは、エンジニアリング判断の貧弱さと品質管理の失敗を示しています。ANC性能の重視は合理的ですが、基本的な周波数特性の精度を達成できないことが製品の核心機能を損なっています。設計思想の実行において著しい非合理性を示しています。

アドバイス

Edifier NeoBuds Pro 2は音質を根本的に損なう深刻な周波数特性問題により推奨できません。13dBの補正が必要な12kHz付近のピークは、高音質コーデック対応にも関わらず、クリティカルリスニングに適さない製品です。ANC性能は50dBと宣伝されていますが、実測では最大38dBにとどまり、マーケティング主張が実際の性能を上回っています。音質再現を求めるユーザーは、実測データによる問題が文書化されているため、この製品を避けるべきです。VGP2024金賞受賞は実際の実測性能と一致しない結果となっています。

(2025.7.11)