ESI Amber i4

参考価格: ? 38000
総合評価
3.4
科学的有効性
0.6
技術レベル
0.6
コストパフォーマンス
1.0
信頼性・サポート
0.6
設計思想の合理性
0.6

ESI Amber i4は、デュアルClass-Aマイクプリ、ADMによるゼロレイテンシー直接モニタリング、双方向MIDI、ループバック、115 dB(A)級の公称DRを備える4in/4out USB-CオーディオIFで、独立測定で実力が確認された同等性能帯の競合と比べても価格優位です。

概要

Amber i4は24bit/192kHz対応のデスクトップ型4入力4出力インターフェースで、Class-Aマイクプリアンプ×2独立48V双方向(Auto-detect)MIDIポート×2OUTPUT A/B切替によるデュアル出力系統LCD大型エンコーダを装備します [1][2]。ESI独自のADM(Advanced Direct Monitoring)により、完全ゼロレイテンシーのハードウェアミックスを本体またはAmber i4 Controlアプリから構築でき、仮想チャンネルとループバックで配信・画面録画用途にも対応します [1][2]。USBクラスコンプライアント(macOS/iOSはCoreAudio)、WindowsはEWDM ASIOドライバ(ASIO 2.0 / WDM / MME / DirectSound)を提供。Bitwig Studio 8-Track / Steinberg WaveLab LE / Cubasis LEのレジストレーションが付属し、USB-C↔CUSB-A↔Cケーブル同梱です [2]。メーカーは115 dB(A)ダイナミックレンジを公表しています [1][2]。

端子・操作系(マニュアル準拠)

  • フロント: XLR/TRSコンボ×2(Mic/Line/Hi-Z)、各GAIN48 VLCDSELECT / MONITORING / MIX / OUTPUT A/Bキー、メインエンコーダ [2]。
  • リア: LINE OUT A(1/2)・B(3/4)MIDI 1–2(各ポートをIN/OUTどちらにも設定可)USB-C電源スイッチ、任意の5 V DC入力 [2]。
  • ソフト: Amber i4 Controlでファーム更新サンプルレートADMミキサーループバックを制御。“DAW-Control”という内部MIDIポートはハード/ソフト連携用で、DAWでは無効化推奨 [2]。

科学的有効性

\[\Large \text{0.6}\]

本機に関して第三者の網羅的測定は未確認です。公式ドキュメントは115 dB(A) DRや低THD+Nなど具体的数値を明示しており、達成されていれば一般的制作における透明性目標を満たします [1][2]。独立測定不在時の基準0.5に、具体的数値の提示を加味して0.6としました。

技術レベル

\[\Large \text{0.6}\]

24bit/192kHzClass-AプリADMハードウェアミックス仮想CH/ループバック双方向MIDIデュアル出力バスクラスコンプライアントなど、現行4×4として十分にモダンです [1][2]。一方で、採用ADC/DACの型番・独自DSPの詳細は公的情報に記載がなく、技術的革新性は平均的と評価します。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{1.0}\]

Amber i4の実勢は約240 USDです [5][1]。比較は、同等以上の測定性能が第三者で検証された中で最も安価な製品に対して行います。基準機としてMOTU M4(出力≈120 dBの独立測定結果で著名)を採用し [3]、米主要量販での価格は269.95 USDです [4][6]。本機と同等以上の測定性能をより安価に示す4×4製品は確認できなかったため、Amber i4はこの性能帯で最安と判断し1.0を付与します。

比較アンカー

  • Amber i4 — 約240 USD、公称115 dB(A)、ADM/ループバック、双方向MIDI [1][2][5]。
  • MOTU M4269.95 USD、独立測定≈120 dB、測定面の安全札 [3][4][6]。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.6}\]

Amber i4 Controlによるドライバ/ファーム更新、Windows 10/11・macOS 10.13+(Apple Silicon対応)の記載があり [2]、基礎サポートは良好です。Amberシリーズは同一PCで複数同時使用不可のナレッジベース記載あり [7]。一方、MTBF/故障率等の公開データは不足し、大手と比べたサービス網の小ささもあり、総合して平均評価です。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.6}\]

低レイテンシーのハードウェア監視(ADM)配信対応のループバックMIDIの柔軟性デュアル出力バスという制作・配信の実務を重視した設計で、低価格帯に的確に最適化されています [1][2]。

アドバイス

MIDIとループバックを含む4×4を低予算で導入したい方に強力な候補です。独立測定で裏付けられた最高水準を最優先するなら、価格は上がりますがMOTU M4が堅実です [3][4][6]。公称値ベースでコストを抑えたいなら、Amber i4は価格対性能に優れた選択です。

参考文献

[1] ESI — Amber i4 製品ページ: https://www.esi-audio.com/products/amberi4/
[2] ESI — Amber i4 ユーザーマニュアル(PDF): https://download.esi-audiotechnik.com/download/ESI/Amber_i4/Amber_i4-English.pdf
[3] Audio Science Review — MOTU M4 測定: https://www.audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/motu-m4-audio-interface-review.15757/
[4] B&H — MOTU M4 価格: https://www.bhphotovideo.com/c/product/1514483-REG/motu_3140_m4_4x4_usb_c_audio.html
[5] Thomann — Amber i4 製品ページ(実勢): https://www.thomannmusic.com/esi_amber_i4.htm
[6] Sweetwater — MOTU M4 価格: https://www.sweetwater.com/store/detail/M4–motu-m4-4x4-usb-c-audio-interface
[7] ESIナレッジベース — Amberシリーズの同時使用可否: https://download.esi-audiotechnik.com/tools/readme.asp?file=KB00338EN&key=lywp%3C03%7Czw0fwn653%2Fhj2d%7Boerlc1gev2pfg2fvpAhsyr%3DMC4563%3AFR

(2025.10.6)