FiiO BTR13

参考価格: ? 12000
総合評価
3.5
科学的有効性
0.5
技術レベル
0.6
コストパフォーマンス
1.0
信頼性・サポート
0.7
設計思想の合理性
0.7

デュアルCS43131 DACチップ搭載のエントリーレベルBluetooth DAC/アンプ。4.4mmバランス出力と包括的なコーデックサポート、0.96インチIPSディスプレイを備える。実勢価格は日本で約12,000円前後。

概要

FiiO BTR13はエントリーレベルのBluetooth DAC/ヘッドホンアンプです。デュアルCS43131 DACチップをフルバランス構成で搭載し、3.5mmシングルエンドと4.4mmバランス出力を提供します。QualcommのQCC5125チップによりLDAC、aptX Adaptive等のコーデックに対応し、0.96インチIPSディスプレイを備えています。PC/BT/PHONEの3つの動作モードを切り替え可能で、10バンドパラメトリックEQをアプリ経由で調整できます。重量は約28.6g、サイズは約63.2×30×18.8mmと携帯性に優れ、BTR3Kの後継モデルとして位置づけられています。

科学的有効性

\[\Large \text{0.5}\]

独立した第三者機関による網羅的な測定データが不足しており、評価は主にメーカー公称仕様に依存します [1]。バランス出力で220mW@32Ωの出力が示されており、用途としては十分ですが、透明レベルの達成可否を断定できる公開実測は確認できていません。そのため基準に従い0.5とします。

技術レベル

\[\Large \text{0.6}\]

デュアルCS43131 DACチップのバランス構成は適切ですが、業界標準の設計です。QCC5125 Bluetoothチップによる包括的なコーデック対応は評価できます。しかし、基本的には既存技術の組み合わせであり、独自性や革新性に欠けます。測定性能は良好ですが、技術的な突破口や画期的な設計要素は見られず、業界平均レベルの技術力を示しています。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{1.0}\]

実勢価格は日本で約11,990円前後(英語版ではUSD参照)。Bluetooth接続・LDAC/aptX Adaptive対応・4.4mmバランス出力・PEQ対応といったユーザー視点の機能を同時に満たす製品の中で、これを下回る価格の同等以上品は現時点で確認できません。したがって本製品は同等以上条件で実質的に最安と判断し、コストパフォーマンスは1.0とします。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.7}\]

FiiOは確立されたオーディオメーカーとして良好な実績を持ちます。標準的な保証期間を提供し、ファームウェアアップデートやアプリサポートを継続的に行っています。製品の信頼性は業界平均以上で、カスタマーサポート体制も整備されています。新興メーカーと比較して安定したサポートが期待でき、長期使用における安心感があります。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.7}\]

3つの動作モード切り替え、バランス出力、ディスプレイ搭載など実用的な機能に重点を置いた合理的な設計です。測定性能の向上を目指した科学的アプローチを採用し、オカルト的な主張は見られません。パラメトリックEQによるカスタマイズ性の提供、低出力インピーダンス設計など、聴感上の改善に寄与する要素を適切に実装しています。透明レベル達成への明確な方向性を示した設計思想と言えます。

アドバイス

BTR13は、Bluetoothコーデック対応と4.4mmバランス出力を同時に求める用途に適しています。有線専用で良い場合は安価なUSB DACドングルという選択肢もありますが、Bluetoothの利便性を重視するなら現時点で最安級の選択肢です。エントリーレベルながら必要十分な機能と性能を備えており、初回購入に適しています。

参考情報

[1] FiiO公式(日本), “BTR13 製品ページ”, https://www.fiio.jp/products/btr13/, 2024年, メーカー仕様データ

(2025.8.9)