FiiO Q7
ES9038PRO DACとデュアルTHX AAA 788+アンプを搭載したデスクトップクラスのポータブルDAC/アンプ。優れた技術性能を提供するが、プレミアム価格帯の製品。
概要
FiiO Q7は、同社のフラッグシップポータブルDAC/ヘッドホンアンプで、デスクトップクラスのコンポーネントを持ち運び可能なフォームファクターに組み合わせています。成功したM17アーキテクチャをベースとし、ES9038PRO DACチップとデュアルTHX AAA 788+アンプ回路をフルバランス構成で組み合わせています。ポータブルバッテリー動作と外部電源による強化デスクトップモードの2つの動作モードを提供し、最大3000mWの出力パワー(32Ω・バランス・DC給電時、メーカー)を実現します[1]。4つのヘッドホン出力、Bluetooth機能、768kHz/DSD512までの高解像度フォーマット対応など包括的な接続性を備え、デスクトップの制約なしに最大性能を求めるオーディオ愛好家をターゲットとしています[1]。
科学的有効性
\[\Large \text{0.8}\]第三者データでは主要指標がほぼ透明域です。周波数応答の偏差(40Hz–15kHz)は-0.1〜+0.0 dB(SE出力)で、出力インピーダンスは平均約1.0〜1.1Ω[2]。クロストークは1kHzにて24.5Ωで約-70 dB、300Ωで-91 dB(SE出力)[2]。メーカー仕様ではS/N ≥125 dB(A-weighted/バランス出力時)、THD+Nは1kHz/-10dB/32Ωで<0.0005%、1kHz/0dB/300Ωで<0.0003%[1]。最大出力はバッテリー時1500mW(32Ω・バランス)/DC給電時3000mW(32Ω・バランス)[1]。これらはFR・クロストーク・歪の基準を満たし、高評価に相当します[1][2]。
技術レベル
\[\Large \text{0.9}\]Q7は全体にわたって洗練されたエンジニアリングによる技術実装を示します。16コアXMOS XU316 USBプロセッサによりPCM768kHz/DSD512に対応[1]。デュアルTHX AAA 788+によるフルバランス高出力[1]。電源は超低ノイズLDOを20基とスーパーキャパシタを採用し、安定化を図っています[1]。バッテリーとDC給電のデュアルモードは可搬形状で据置級出力を可能にします[1]。
コストパフォーマンス
\[\Large \text{0.7}\]米国市場の現在価格は599.99 USD[3]。同等以上の機能・測定性能(バランス4.4mm、LDAC対応Bluetooth、高出力≥1500mW級、PCM/DSD高レート対応)を満たす最安の比較対象はFiiO Q15(439.99 USD)です[4]。CP = 439.99 USD ÷ 599.99 USD = 0.733 → 四捨五入で0.7。等価性注記: Q15はバランス4.4mm、LDAC Bluetooth、1600mW@32Ω(メーカー)を提供し、携帯用途での実用出力・機能要件を満たします[4]。
信頼性・サポート
\[\Large \text{0.8}\]FiiOは製品信頼性とサポート体制で安定した評価があります。CNCアルミ構造と9200mAhの大容量、必要に応じたDCモードを備えます[1]。充電式デバイスの性質上、長期の電池メンテナンスは考慮が必要です。
設計思想の合理性
\[\Large \text{0.7}\]Q7は測定性能と透明な再生を優先する科学的に合理的な設計に従っています[1][2]。デュアルモードは可搬性の制約に対処しますが、多くのヘッドホンではピーク出力が過剰となり得ます。価格は低価格帯の透明達成機に比べて高く、合理性は良好ながら過剰投資の側面もあります。
アドバイス
要求の厳しいプレーナーマグネティックや高インピーダンスヘッドホンを駆動するために最大ポータブルパワー出力が不可欠で、予算がプレミアムコストを許可する場合にQ7を検討してください。デュアルモード動作により、持ち運び可能な形で据置級の性能を提供します[1][2]。DCモードのピーク出力や全端子が不要であれば、より低コストのQ15が要件を満たすか検討してください[4]。
参考情報
[1] FiiO Japan, 「Q7 製品ページ」, https://fiio.jp/products/q7/ (2025-08-11アクセス)— DAC/アンプ構成、S/N、THD+N、入出力、Bluetoothコーデック、バッテリー、出力などの主要仕様。
[2] Reference Audio Analyzer, 「Measurement’s report FiiO Q7 Single-ended Out」, https://reference-audio-analyzer.pro/en/report/amp/fiio-q7-single.php (2025-08-11アクセス)— 周波数応答偏差、クロストーク、インピーダンス、電圧/電流表など第三者測定。
[3] Amazon.com, 「FiiO Q7 製品ページ(B0BHY4VTB8)」, https://www.amazon.com/dp/B0BHY4VTB8 (2025-08-11アクセス)— 米国市場での現在価格。
[4] Amazon.com, 「FiiO Q15 製品ページ(B0CMZL6Q9W)」, https://www.amazon.com/dp/B0CMZL6Q9W (2025-08-11アクセス)— 米国市場価格と主要仕様。
(2025.8.11)