FiiO R7

参考価格: ? 104850
総合評価
3.4
科学的有効性
0.8
技術レベル
0.5
コストパフォーマンス
0.7
信頼性・サポート
0.7
設計思想の合理性
0.7

Android搭載デスクトップストリーミングDAC/アンプは包括的な接続性を提供するが、競合激化市場での価値提案に疑問

概要

FiiO R7は、Androidタブレット機能、DAC、ヘッドホンアンプ、ストリーミング機能を単一筐体に統合したオールインワン・デスクトップオーディオ機です。Snapdragon 660、4GB RAM/64GBストレージ、ES9068AS DAC、THX AAA 788+デュアルアンプ、5インチ縦型タッチスクリーンを搭載し、Roon Readyや複数入出力(前面6.35mm/4.4mm/4ピンXLR、背面XLR/RCA/光/同軸/USBなど)により据え置き中心の運用を想定しています[2]。

科学的有効性

\[\Large \text{0.8}\]

第三者測定としてAudio Science ReviewにてSINAD 109dBが確認されています[1]。メーカー公開パラメータでは、バランス出力で32Ω時最大約3.65W(ゲイン設定により3.0〜3.65W)、S/Nは最大125dB、THD+Nは0.0005%以下(条件別)など、可聴域内で十分に低歪・低雑音な水準です[2]。測定指標が透明級の上位DACに比べると一段劣る点はあるものの、据え置きヘッドホンの駆動力を含め実用域では科学的に妥当な性能を示します[1][2]。

技術レベル

\[\Large \text{0.5}\]

採用技術は業界標準的で、ES9068AS+THX AAA 788+という定評ある構成をAndroid 10端末と統合した設計です。UI/入出力統合は優れますが、音質向上のための独自アルゴリズムや新規性の高い回路革新は限定的で、最新SoCやDSP活用によるブレークスルーも見られません。よって技術レベルは中庸評価とします。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{0.7}\]

本機の市場価格は USD 699 です。ユーザー視点で同等以上の機能・測定性能を満たす最安手段として、WiiM Pro Plus(ストリーマー/DAC。SINAD良好の第三者測定あり)とTopping L70(高性能ヘッドホンアンプ)を組み合わせると実用上の機能はカバーできます(ストリーミング、DAC、強力なヘッドホン出力)[3][4][5]。最安実売は USD 219(WiiM公式)USD 237.15(L70セール) で、合計 USD 456.15
456.15 ÷ 699 = 0.65 → 四捨五入で 0.7
等価性注記:WiiM Pro Plusはアプリ操作で主要ストリーミングに対応し、測定性能も十分。L70は高出力・低歪で据え置きヘッドホンを広範に駆動可能です[3][4][5]。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.7}\]

FiiOは地域代理店ベースのサポート方針を明示し、公式の保証規定を公開しています[6][8]。地域によっては2年の法定保証が適用される販売環境も確認できます[7]。一方、米国などでは実務上一年保証の取り扱い例もあり、OS搭載機ゆえ長期アップデート依存やタッチパネルの物理リスクも考慮し平均よりやや良好の0.7評価とします[6][7]。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.7}\]

据え置きでストリーミング+DAC+高出力ヘッドホン駆動を一体提供する狙いは合理的です。Android OSとタッチUIで単体完結する運用性を得られる一方、同等の実用機能は外部ストリーマー+独立アンプの組み合わせでも達成可能で、純オーディオ性能最優先の観点ではコスト効率が下がり得ます。そのため利便志向に合理性を認めつつも保守的に0.7とします。

アドバイス

単体完結で「配線少なめ」「画面操作」「強力な駆動力」を求める方に適しています。費用対効果を最大化したい場合は、WiiM Pro Plus+Topping L70のような組み合わせも選択肢です。アプリ操作主体で問題ない・画面一体化に価値を置かないなら分離構成が安価に同等性能を得やすく、UI一体と省スペースを重視するならR7が有力です。

参考情報

[1] Audio Science Review. “FiiO R7 Android Streamer Review.” https://www.audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/fiio-r7-android-streamer-review.47234/ (2025-08-26参照)
[2] FiiO. “R7 Parameters.” https://www.fiio.com/r7_parameters (2025-08-26参照)
[3] Audio Science Review. “WiiM Pro Plus Streamer Review.” https://www.audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/wiim-pro-plus-streamer-review.50254/ (2025-08-26参照)
[4] WiiM Official Shop. “Shop All Products(WiiM Pro Plus USD 219).” https://wiimhome.com/shop (2025-08-26参照)
[5] Apos Audio. “TOPPING L70 Fully Balanced NFCA Headphone Amplifier(Sale USD 237.15).” https://apos.audio/products/topping-l70-headphone-amp (2025-08-26参照)
[6] FiiO. “Warranty Terms / Customer Service.” https://www.fiio.com/serviceinsurance (2025-08-26参照)
[7] FiiO Shop DE. “Refurbished(2-year statutory warranty statement).” https://fiio-shop.de/EN/Sales/Refurbished/ (2025-08-26参照)
[8] FiiO. “Statement Regarding Local Warranty Service Policy.” https://fiio.com/newsinfo/43924.html (2025-08-26参照)

(2025.8.27)