FiiO SNOWSKY Echo Mini

参考価格: ? 7500
総合評価
3.6
科学的有効性
0.7
技術レベル
0.6
コストパフォーマンス
1.0
信頼性・サポート
0.5
設計思想の合理性
0.8

デュアルCS43131 DAC搭載、DSD256対応、4.4mmバランス出力を備え、50USD未満で優れたコストパフォーマンスを実現するポータブルデジタルオーディオプレイヤー

概要

FiiO SNOWSKY Echo Miniは、カセットプレイヤー風のレトロなデザインを採用したコンパクトDAPです。80×54.5×14.5 mm、55 gという超小型軽量ながら、Cirrus Logic CS43131を2基搭載し、ネイティブDSD256およびPCM 24ビット/192 kHzに対応します。3.5 mmシングルエンド4.4 mmバランスの両出力を備え、1.99インチIPSディスプレイ、最大256 GBのmicroSD拡張(内蔵8 GB)、USBサウンドカード(48 kHz/24ビット)、およびBluetooth SBC送信に対応します。価格は49.99 USDで、真のバランス出力をこの価格帯で実現したエントリーDAPとして位置づけられます[1][2]。

科学的有効性

\[\Large \text{0.7}\]

メーカー公称値は透明レベルを十分に上回ります。3.5 mm出力20 Hz–20 kHz(±0.1 dB以内)THD+N < 0.0006%SNR ≥ 127 dBクロストーク ≥ 73 dB4.4 mmバランス出力50 kHz(±0.1 dB以内)まで拡張し、THD+N < 0.0004%SNR ≥ 131 dBクロストーク ≥ 125 dB。ピーク出力電圧は(SE)≥1.8 V@32 Ω(BAL)≥2.8 V@32 Ω、出力は最大250 mW×2@32 Ωです[2]。これは透明基準(周波数特性偏差±0.5 dB、THD+N 0.01%、SNR 105 dB、クロストーク−70 dB)を大幅に上回ります。第三者実測の公開がないため、所定の保守的調整を適用し最終スコアは0.7としています。

技術レベル

\[\Large \text{0.6}\]

本機はCS43131をデュアル構成で採用。32ビットDACに低ノイズ・グラウンドセンタード型ヘッドフォンアンプを統合し、130 dB級のダイナミックレンジ、−115 dBクラスのTHD+N、選択式デジタルフィルタ、DSDパス等を備えます[3]。この価格帯で4.4 mmバランス出力と高SNRを両立する設計は珍しく、電力効率も良好です。コンポーネント選定を超える独自アーキテクチャは見られないものの、実測に基づく性能指標の提示と合わせ、合理的で現実解な実装と評価できます(無線はSBC送信に留まります)[2][3]。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{1.0}\]

クラスや方式を問わず、機能・測定性能で劣らない最安製品を探索しました。比較対象としてはShanling M0 Pro(デュアルES9219C、バランス出力は4.4 mmアダプタ経由)が挙げられ、価格は概ね129 USDです。公開仕様ではSNR約118–119 dBTHD+N最小0.0004%PCM最大32/384、DSD128を謳います[4][6]。M0 Proはバランス駆動自体は可能ですが、SNRがEcho Miniの公称(≥127–131 dB)より低く、価格も大幅に高価です。他の100 USD以下の製品は4.4 mmバランス非対応や性能面で明確に下回る傾向があります。

したがって、同等以上の条件を満たしつつより安価な代替は確認できず、比較の分母はEcho Mini自身の価格となります。よって CP = 49.99 ÷ 49.99 = 1.0です[2][4][6]。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.5}\]

FiiOは請求書日から1年間の無償メンテナンス1か月の交換を提供。PC+ABS筐体(メタリック塗装)は本価格帯として標準的です。地域代理店と公式窓口によるサポート体制は整っていますが、本機固有の故障統計や延長保証の情報は公開されていません[5]。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.8}\]

測定に裏打ちされたコア機能(デュアルDAC、バランス駆動、低ノイズ設計)へコストを集中し、装飾的要素を最小限に抑える方針は極めて合理的です。小型・低価格でもバランス出力と高SNRを実現し、実用上のメリットに直結する仕様に注力しています[2][5]。

アドバイス

50 USD未満バランス4.4 mm客観性能を重視するユーザーに強く推奨できます。スマホ直挿しや入門MP3プレイヤーからの移行でDSD(最大DSD256)低ノイズ・高SNRを求める方に適しています。ストリーミング連携高級素材を求める用途には不向きです。USBサウンドカード(48 kHz/24ビット)Bluetooth SBC送信は日常の軽作業やワイヤレス再生の補助として有用です[1][2]。

参考情報

  1. FiiO, “Portable HD Lossless Music Player — ECHO MINI(概要)”, https://www.fiio.com/echomini, accessed 2025-10-08.
  2. FiiO, “ECHO MINI — Parameters(仕様表)”, https://www.fiio.com/echomini_parameters, accessed 2025-10-08.
  3. Cirrus Logic, “CS43131 Datasheet (DS1155F2)”, https://statics.cirrus.com/pubs/proDatasheet/CS43131_DS1155F2.pdf, accessed 2025-10-08.
  4. Shanling, “Introducing Shanling M0 Pro(公式)”, https://en.shanling.com/article-IntroM0Pro.html, accessed 2025-10-08.
  5. FiiO, “Service Insurance(保証)”, https://www.fiio.com/serviceinsurance, accessed 2025-10-08.
  6. Linsoul(M0 Pro仕様参照), https://www.linsoul.com/products/shanling-m0-pro, accessed 2025-10-08.

(2025.10.8)