HiFiMan EF499
ストリーミングとバランス入出力を備えるR2R方式の一体型。機能は充実する一方で、公開測定は限定的
概要
HiFiMan EF499は、R2R方式DAC、バランスヘッドホン出力とXLRライン出力、Ethernet経由のネットワークストリーミングを備えるデスクトップ型DAC/ヘッドホンアンプです。4.35W(32Ωバランス)出力、NOS/OS切替、縦置き筐体(ヘッドホンスタンド兼用)を備え、エントリー価格で一体型の利便性を提供します [1][2]。市場価格は44,850円(299 USD)です。
科学的有効性
\[\Large \text{0.6}\]メーカー公称値は、SNR 99 dB(A特性)、THD+N(ライン出力)0.008%、セパレーション95 ±3 dB、最大4.35 W/32Ω(バランス)です [1]。SNR/ダイナミックレンジは透明域に届かず、THD+Nは可聴閾値付近です。第三者の網羅的測定は未確認のため、独立データ出現までは中庸評価とします。
技術レベル
\[\Large \text{0.7}\]EF499は、Ethernetストリーミング(NET+USBモード)、NOS/OS切替、バランスヘッドホン/XLRライン出力、多段ゲインを低価格で統合しています [1][2]。絶対的透明性では最新デルタシグマに劣る可能性はあるものの、機能統合とI/Oの充実は評価できます。
コストパフォーマンス
\[\Large \text{1.0}\]本機のユーザー向け機能(ネットワークストリーミング内蔵、DAC、バランスヘッドホン出力、XLRライン出力)を満たし、かつ同等以上の公称性能を持つ最安製品を調査しました。該当するFiiO R7(Androidストリーマー内蔵、4.4mm/4ピンXLR/6.35mm、XLRラインアウト;SNR ≥122 dB、THD+N ≤0.0005%)はEF499より高価です [3]。したがってより安価な同等以上品は確認できず、規定に従いCPは1.0とします。なおCP計算はUSD基準で整合させています。
信頼性・サポート
\[\Large \text{0.4}\]EF499のメーカー保証は1年(条件付きで+6か月延長)で、一般的な2年より短いです [2]。ストリーミング機能にはファームウェア対応が前提ですが、故障率などの公開データは限定的です。構造自体は単純で平均的な耐久性が見込まれます。
設計思想の合理性
\[\Large \text{0.4}\]R2R方式の選択はキャラクター重視で、測定透明性の追求という観点では合理性が限定的です。一方、NOS/OSやバランスI/O、ストリーミング内蔵によるシステム簡素化は理にかなっています。測定透明性に優れるデルタシグマ代替が同価格帯に存在する点を踏まえ、この評価とします。
アドバイス
ストリーミング・DAC・バランスヘッドホンアンプ・XLRライン出力を一筐体でまとめたい方に適しています。ディスプレイ付きAndroidストリーミングやより高い公称SNR/THD+Nを求めるならFiiO R7(高価)も検討対象です [3]。独立測定が公開された場合は、客観重視の方は再検討をおすすめします。
参考情報
[1] HiFiMan, “EF499 – Specifications,” https://m.hifiman.com/products/detail/346, 参照日: 2025-09-02
[2] HiFiMan, “EF499 User Manual,” https://www.manualslib.com/manual/3432563/Hifiman-Ef499.html, 参照日: 2025-09-02
[3] FiiO, “R7 Parameters,” https://www.fiio.com/r7_parameters, 参照日: 2025-09-02
(2025.9.2)