Huawei FreeBuds Pro 4

参考価格: ? 31500
総合評価
2.7
科学的有効性
0.5
技術レベル
0.6
コストパフォーマンス
0.8
信頼性・サポート
0.5
設計思想の合理性
0.3

デュアルドライバーとL2HC 4.0を備えるプレミアム完全ワイヤレス。第三者測定が限定的で、エコシステム依存が実用面の制約です。

概要

Huawei FreeBuds Pro 4は2024年12月発表、2025年1月発売開始のフラッグシップ完全ワイヤレスイヤホンです。11mmダイナミック+平面振動板のデュアルドライバー、HUAWEI SOUNDブランド、L2HC 4.0による最大2.3 Mbpsロスレス伝送(条件付き)、IP54(イヤホン本体)、形状記憶フォームイヤーチップ同梱、ヘッドモーション操作などを備えます[1][3][4]。HWA LosslessおよびHi-Res Wireless Audio認証も取得しています[1]。

科学的有効性

\[\Large \text{0.5}\]

公開済みの独立測定は限定的です。メーカー仕様ではデュアルドライバー(11mmダイナミック+平面振動板)、周波数帯域14Hz–48kHz、IP54(イヤホン本体)、バッテリー容量(片側55mAh/ケース510mAh)などが明記されています[1]。第三者レビューでは簡易計測ながら1kHzトーンに対するTHD 0.19%・THD+N 0.34%(測定距離約1cm、人工頭)と報告されていますが、一般的なGRASリグ等と完全同条件ではないため相互比較には注意が必要です[2]。通話時の騒音低減やANCの有効性はレビュー上で良好とされる一方、最大100dB級環境下の主張は主としてメーカー側の条件付きデータに基づきます[2][3]。測定点が不足しているため、本評価は暫定であり、今後の第三者測定に応じて見直します。

技術レベル

\[\Large \text{0.6}\]

デュアルドライバー構成とデジタルクロスオーバー、トリプルアダプティブEQ、逆骨伝導マイクを含む4マイク通話系、形状記憶フォームイヤーチップ、ヘッドモーション操作など、現世代TWSの主要技術を一通り実装しています[1][3]。L2HC 4.0は最大2.3 Mbpsのロスレス伝送に対応しますが、EMUI 15以降の特定端末(例:Mate X6)など条件付きで、他端末ではLDACやAAC動作となります[3][4]。革新性は認められるものの、実使用での利得がエコシステム前提で限定される点がスコアの天井を抑えます。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{0.8}\]

比較はユーザー視点で同等以上の機能・測定性能を満たす中で最も安価な製品を用います[9]。同等以上の代表例としてApple AirPods Pro 2(ANC/トランスペアレンシー/空間オーディオ/ワイヤレス充電/広範な独立測定)を採り、169 USDを市場価格の下限として採用します(複数の恒常的ディール実績に基づく)。本機の英語記事における評価基準通りUSDで計算し、CP = 169 ÷ 210 = 0.80 → 0.8。なお日本市場の表示価格は31500円(= 210 USD相当)で、円建て表示は補助的情報です。AirPods Pro 2は機能同等以上かつ多数の第三者測定が存在するため、比較対象として妥当です。
(補足)複数候補が拮抗する場合は平均化も可能ですが、本件ではAirPods Pro 2が最安かつ要件を満たします。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.5}\]

標準保証は12か月相当(地域により異なる場合あり)。IP54(イヤホン本体)の耐塵防滴、AI Lifeアプリ経由のファーム更新、バッテリー容量(55mAh/510mAh)やワイヤレス充電対応などは仕様として妥当です[1]。一方で販売・サポート体制は地域差が大きく、長期アップデートや故障率等の定量データは公開されていません。可もなく不可もない平均的評価です。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.3}\]

ドライバー構成や通話系、フィット最適化は理にかなっています[1][3]。一方でL2HC 4.0の2.3 Mbpsなど主要な利点が特定端末依存で、一般的な非Huawei端末ではLDACまたはAAC止まりとなる構造[4]は、ユーザー裾野を狭めます。独立測定の公開が限られ、実測ベースで優位性を裏づける材料が不足している点も減点要因です。

アドバイス

Huawei端末(EMUI 15以降等)と組み合わせ、L2HC 4.0の条件を満たせるユーザーには魅力的です。そうでない場合はLDAC対応の他社上位機(例:AirPods Pro 2はiOS統合・測定実績の厚さで総合力が高い)や、価格がこなれた時期の選択を推奨します。エコシステム前提の利点と、非対応環境での実利の差を冷静に見極めてください。

参考情報

[1] HUAWEI FreeBuds Pro 4 Specifications(公式): https://consumer.huawei.com/en/headphones/freebuds-pro-4/specs/ (2025-08-20参照)
[2] Notebookcheck「Huawei FreeBuds Pro 4 review – ANC headphones with lossless audio」: https://www.notebookcheck.net/Huawei-FreeBuds-Pro-4-review-ANC-headphones-with-lossless-audio.949186.0.html (2025-08-20参照)
[3] プレスリリース(L2HC 4.0/2.3 Mbps・100dB通話ノイズ低減ほか): https://www.prnewswire.com/il/news-releases/huawei-freebuds-pro-4-huawei-sound-elevating-tws-flagship-experience-to-new-heights-302331885.html (2025-08-20参照)
[4] HUAWEIサポート:対応端末とビットレート条件(L2HC 4.0/3.0/LDAC): https://consumer.huawei.com/en/support/content/en-us15900030/ (2025-08-20参照)

(2025.8.21)