JBL Studio 290
現代の廉価代替品に対して強い競争圧力にさらされている、入手困難な生産終了済み3ウェイフロアスタンディングスピーカー
概要
JBL Studio 290は、1インチCMMD Liteドームツイーター、4インチPolyPlas中音域ドライバー、デュアル8インチPolyPlasウーファーを搭載した3ウェイ・フロアスタンディングスピーカーです。2013年から2016年に展開されたStudio 2シリーズに属し、当時のJBLのコンシューマー向け設計思想を反映しています。現在は事実上生産終了で、新品市場での入手性は限定的であり、中古流通が中心です。
科学的有効性
\[\Large \text{0.6}\]メーカー公表値として、周波数特性38Hz–22kHz(–6dB)および感度91dBが示されています[1]。推奨アンプ出力は20–225Wです[1]。第三者による標準化されたフル測定(スピノラマ、系統的THD等)は確認できず、帯域と感度以外の透明性指標は未検証です。デュアル8インチウーファーの3ウェイ構成により38Hzまでの低域拡張は確保されますが、現行製品基準では中程度の水準です。
技術レベル
\[\Large \text{0.4}\]PolyPlas振動板、CMMD Liteツイーター、リアポートのバスレフなど、2010年代前半の標準的な設計であり、近年普及した測定最適化や高度な素材適用(最新ガイド付きツイーターや高度なネットワーク最適化)には及びません。設計自体は合理的ですが、最新技術に対して優位性はありません。
コストパフォーマンス
\[\Large \text{0.8}\]本体価格は599 USD(分母)。同等以上のユーザー向け機能と性能を満たす最安の完成品として、JBL Stage A190を確認しました。A190はフロアスタンディング用途が同等で、周波数特性36Hz–40kHz・感度91dBと同等以上のメーカー公表性能です[2]。米国の実売は1本あたり499.95 USDの最安値が確認できます[3]。
計算:CP = MIN(1.0, 499.95 ÷ 599) = 0.83 → 0.8。
信頼性・サポート
\[\Large \text{0.4}\]生産終了に伴い、新品供給および公式サポートは限定的です。基本構造は堅実ですが、部品供給や修理面の不確実性は現行モデルより高くなります。
設計思想の合理性
\[\Large \text{0.4}\]3ウェイ+デュアルウーファーの伝統的構成と従来型素材を採用した、当時として妥当なアプローチです。誇大な主張は見られませんが、最新の測定主導設計に比べると合理性の点で優位性は示せません。
アドバイス
新品購入の観点では推奨しにくいです。帯域・感度が同等以上で現行サポートが得られるJBL Stage A190が価格面でも有利です[2][3]。Studio 290は中古で大幅割安に入手できる場合のみ検討し、サポート欠如のリスクを総所有コストに織り込むべきです。
参考情報
[1] JBL, 「Studio 290 – 仕様(PDF)」, https://support.jbl.com/on/demandware.static/-/Sites-masterCatalog_Harman/default/dw03b77e6e/pdfs/STUDIO290_SS_EN.pdf, 2025-08-24参照。
[2] JBL, 「Stage Speakers – 技術仕様(PDF。A190を含む)」, https://jp.jbl.com/on/demandware.static/-/Sites-masterCatalog_Harman/default/dw8f190c3b/pdfs/JBL_Arena_Stage_Spec_Sheet_English.pdf, 2025-08-24参照。
[3] 価格.com, 「JBL STAGE A190 [ブラック 単品] – 価格」, https://kakaku.com/item/K0001478160/, 2025-08-24参照。
(2025.8.24)