Kanto Audio ORA4
USB-C(24bit/96kHz)、Bluetooth 5.0、RCA、および自動80Hzハイ/ローパス付きサブウーファー出力を備える小型アクティブ2.0。公称周波数帯域は60Hz–22kHzで、総合70W RMS(片ch: ウーファー23W+ツイーター12W)、ピーク140Wです。独立アンプのバイアンプ構成とDSP制御で、デスクトップでの取り回しと機能性を両立しています。
概要
ORA4は、4インチアルミコーン・ウーファーと3/4インチシルクドーム・ツイーターの2ウェイを、各ユニット専用アンプで駆動するバイアンプ型のパワードスピーカーです。USB-C(24bit/96kHz)、Bluetooth 5.0、RCAライン入力に加え、サブウーファー出力接続時は80Hzで自動ハイ/ローパスが適用されます。メーカー公称の周波数帯域は60Hz–22kHz、出力は合計70W RMS(片ch: 23W+12W)、140Wピークです [1]。机上サイズの筐体で、制作・鑑賞兼用の基本性能と利便性を狙った設計です。
科学的有効性
\[\Large \text{0.5}\]第三者の包括的測定(無響室FR、指向、歪率など)は現時点で未確認です。確認できる定量情報はメーカー公称の周波数帯域60Hz–22kHz、USB-Cでの24bit/96kHz対応、サブウーファー接続時の80Hzハイ/ローパス適用などで、設計としては合理的です [1][2]。一方で、歪率(THD/IMD)や最大出力SPL等の第三者測定がないため、可聴域での透明度の裏付けは限定的です。本指標は測定不明基準の0.5を起点とし、判明している事実範囲で据え置きとします。
技術レベル
\[\Large \text{0.6}\]小型2.0でバイアンプ+DSP制御、USB-C(24/96)内蔵DAC、BT 5.0、自動80Hzハイ/ローパスなど、現代的な統合実装をバランス良く備えます [1][2]。独自特許や新規アルゴリズムの公開は見当たらない一方、設計統合と機能選定は妥当で、同カテゴリ平均をやや上回る評価です。
コストパフォーマンス
\[\Large \text{1.0}\]比較対象は Vanatoo Transparent Zero Plus。USBデジタル入力(24bit/96kHz)、Bluetooth、サブウーファー出力を備え、第三者測定(Erin’s Audio CornerにてCTA-2034相当のNFS測定)でも良好な帯域特性(例:室内条件で52–20kHz ±3dB/Flatモード)を確認できるため、ユーザー視点で機能・測定面は少なくとも同等以上と判断します [3][4]。執筆時点の価格は449.99 USDで、ORA4の449.99 USD(参考換算 67,500円)と同額帯です [1][3]。同等以上の機能・性能でより安価な現行製品は確認できないため、CPは1.0とします。
信頼性・サポート
\[\Large \text{0.7}\]Kantoの限定保証は2年間です [5]。一般的なアクティブ2.0として可動部が限定される点や、主要販路での取り扱い・サポートの網羅性は平均的〜やや良好と判断します [2]。長期の実測RMAやMTBF公開は見当たらず、スコアは平均よりわずかに高めの0.7とします。
設計思想の合理性
\[\Large \text{0.9}\]机上用途で重要な入出力を過不足なく統合し、USB-C直結による信号経路の単純化、サブ接続時の自動80Hzハイ/ローパスなど、可聴面に有効な機能へコストを集中しています [1][2]。過度な装飾やオカルト的要素はなく、目的合理性が高い構成です。
アドバイス
PC直結で「配線少なめ・最小構成」を望むユーザーに適しています。低域拡張が必要ならSUB8等のサブウーファーを併用する構成が自然です。価格同等帯のVanatoo Transparent Zero PlusはUSB/BT/サブアウトを同様に備え、公開測定も充実しているため、音響的裏付けを重視する読者は候補に含める価値があります [3][4]。一方、アナログ運用主体でUSB入力を重視しないなら、より廉価なスタジオ系小型モニター+外付けUSBオーディオの組み合わせも検討余地があります。
参考情報
- Kanto Audio – “ORA4 140W Bi-amplified Powered Reference Speakers (Specs/Price).” https://www.kantoaudio.com/powered-speakers/ora4/ (参照日: 2025-08-27)。主要仕様: 4”ウーファー/3/4”ツイーター、USB-C 24bit/96kHz、Bluetooth 5.0、サブ出力、自動80Hzハイ/ローパス、60Hz–22kHz、70W RMS/140Wピーク。
- Crutchfield – “Kanto ORA4.” https://www.crutchfield.com/p_310ORA4MW/Kanto-ORA4-Matte-White.html (参照日: 2025-08-27)。自動80Hzハイ/ローパス、USB-C 24/96 の入出力仕様記載。
- Vanatoo – “Transparent Zero Plus (Features/Price).” https://vanatoo.com/shop/speakers/transparent-zero-plus/ (参照日: 2025-08-27)。USB/BT/サブアウト搭載、449.99 USD。
- Erin’s Audio Corner – “Vanatoo Transparent Zero Plus (CTA-2034/SPIN data).” https://erinsaudiocorner.com/loudspeakers/vanatoo_zero_plus/ (参照日: 2025-08-27)。NFS測定、機能詳細(USB 24/96、BT aptX-HD、サブアウト等)。
- Kanto Audio – “Warranty.” https://www.kantoaudio.com/warranty/ (参照日: 2025-08-27)。限定保証2年。
(2025.8.27)