KEF LSX

参考価格: ? 164850
総合評価
4.3
科学的有効性
0.9
技術レベル
0.8
コストパフォーマンス
1.0
信頼性・サポート
0.8
設計思想の合理性
0.8

KEFが2018年に発売したワイヤレスアクティブスピーカー。現在は廃盤となり、LSX II LTが後継機となっています。LS50の技術を小型化し、Uni-Qドライバーを搭載したコンパクトなデスクトップスピーカーです。Wi-Fi、Bluetooth、有線接続に対応し、専用アプリでの操作が可能です。当初価格1,099USDで、同等機能性能を持つ製品の中では優れたコストパフォーマンスを示していました。

概要

KEF LSXは、2018年にKEFが発売したワイヤレスアクティブスピーカーです。同社の名機LS50の技術を小型化し、115mm(4.5インチ)マグネシウム・アルミニウム合金コーンと19mm(0.75インチ)アルミニウムドームツイーターによるUni-Qドライバーを搭載したコンパクトなデスクトップスピーカーとして設計されています。Wi-Fi、Bluetooth 4.2 with aptX、有線接続(RJ45イーサネット、TosLink光デジタル、3.5mmアナログ)に対応し、専用の「KEF Control」アプリを使用した操作が可能です。各スピーカーにクラスDアンプ(ツイーター用30W、ウーファー用70W)を搭載したバイアンプ構成を採用しています。価格は当初1,099USDで、プレミアムデスクトップオーディオ市場をターゲットとした製品として位置づけられています。

科学的有効性

\[\Large \text{0.9}\]

KEF LSXの音響特性は、測定データに基づいて高く評価できます。115mmUni-Qドライバーによる点音源特性により、優れた音像定位と位相特性を実現しています。周波数特性は49Hz-47kHz(-6dB)をカバーし、設定により54Hz-28kHz(-3dB、より多い低域)から69Hz-28kHz(-3dB、より少ない低域)まで調整可能です。ポート共振周波数は58Hzに設定されています。アナログ入力時の遅延は約48msと測定されています。Uni-Qドライバーの同軸配置により、従来のマルチウェイスピーカーで発生するクロスオーバー周波数での位相問題を解決し、ステップ応答では「ほぼ完璧な正極性、時間一致の直角三角形形状」を示しています。累積スペクトル減衰プロットは「極めてクリーン」と評価されています。

技術レベル

\[\Large \text{0.8}\]

KEF LSXは、同社の高級機で培った技術を効果的に小型化した製品です。Uni-Qドライバーアレイは、ツイーターをウーファー中央に配置した独自の同軸設計で、点音源特性を実現する技術的に優れたアプローチです。DSP処理によるクロスオーバー設計とルームコレクション機能は、デジタル時代の合理的な音響設計を示しています。各ドライバーに専用のクラスDアンプ(ツイーター用30W、ウーファー用70W)を搭載したバイアンプ構成により、効率的な駆動を実現しています。筐体設計も考慮されており、内部容積の最適化と共振制御が施されています。ワイヤレス接続の実装も技術的に適切で、複数のコーデックに対応しています。ただし、基本的な動電型ドライバーの範疇内での設計であり、革新的な技術というよりは既存技術の巧妙な組み合わせと評価されます。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{1.0}\]

KEF LSXの当初価格1,099USDに対して、全ての主要機能(Uni-Q音響技術、包括的ワイヤレス接続、コンパクト形状、アプリ制御)で同等性能を持つ製品は極めて限定的です。主な同等品としてはKEF LS50 Wireless II(2,500-3,000USD)があり、これは上位音響性能(12世代Uni-Q + MAT技術)を持ちますが価格は倍以上です。Sonos Five(549USD)やAudioengine HD6(699USD)はワイヤレス機能を提供しますが、Uni-Q技術の音響的洗練性に欠けます。KEF LSX II LT(999USD、2024年)は類似品ですが、機能を簡略化(Roon Ready非対応、MQA非対応)しており同等品ではありません。真のオーディオファイル音響性能と包括的ワイヤレス機能を組み合わせた最も手頃な製品として、CP = 1,099 ÷ 1,099 = 1.0となり、LSXがこのカテゴリーでの価値リーダーであることを反映しています。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.8}\]

KEFは英国の老舗オーディオメーカーとして、品質管理とサポート体制が確立されています。LSXは2018年発売の比較的新しい製品で、現在も製造継続中のため、保証とサポートが受けられます。ファームウェアアップデートも定期的に提供され、機能追加や改善が継続されています。専用アプリ「KEF Control」も継続的にアップデートされ、操作性の向上が図られています。アクティブスピーカーとしての電子部品の信頼性も、一般的なレベルを維持しています。ただし、内蔵アンプの故障時は筐体全体の修理が必要となる可能性があり、パッシブスピーカーと比較すると長期使用時のリスクは高くなります。グローバルブランドとしてのサポートネットワークは確立されており、部品供給面でも問題は少ないと考えられます。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.8}\]

デスクトップオーディオ市場に向けた小型アクティブスピーカーという設計コンセプトは、現代のライフスタイルに適合した合理的なアプローチです。Uni-Qドライバーによる点音源特性の追求は、音響工学的に理にかなった設計思想です。DSP処理による音響特性の最適化は、アナログ回路での制約を超えた現代的なアプローチとして評価できます。ワイヤレス接続の実装も、ケーブルレスという利便性と音質の両立を図った合理的な選択です。複数の接続オプション(Wi-Fi、Bluetooth、有線)をコンパクトな筐体に統合することで、実用的な使用シーンへの対応を効果的に実現しています。小型化による物理的制約は存在しますが、達成された周波数特性は適切なスピーカー工学的許容範囲内にあります。1,099USDという価格設定は、包括的な機能セットとコンパクトな筐体で実現された音響性能を考慮すると、競争力のある価値を提供しています。設計思想は、サイズ制約、現代的接続性の要求、音響性能のバランスを成功的に最適化しています。

アドバイス

KEF LSXは、デスクトップオーディオとしての利便性と高い音響性能を両立した製品として優れた価値を持ちます。特に、小型サイズでありながらKEFの高度な音響技術を体験できる点は魅力的です。ワイヤレス接続やアプリ操作の利便性を重視し、デザイン性も考慮する場合には高く評価されます。同等の機能と性能を持つ製品の中では最も手頃な価格で提供されており、音質・機能・サイズのバランスが取れています。なお、元のKEF LSX(2018年)は現在廃盤となっており、後継機のLSX II LT(999USD)が利用可能で、HDMI接続強化、Wi-Fi改善、DSP向上などの機能追加がなされています。 プロフェッショナルな音楽制作用途であれば専用モニターの使用が推奨されますが、ハイエンドデスクトップオーディオとしては優れた選択肢です。購入を検討する際は、使用環境とサイズ制約、利便性への要求を総合的に評価することが重要です。

(2025.7.8)