KEF LSX II

参考価格: ? 205000
総合評価
4.0
科学的有効性
0.7
技術レベル
0.8
コストパフォーマンス
1.0
信頼性・サポート
0.8
設計思想の合理性
0.7

KEF LSX IIは、独自のUni-Q同軸ドライバーと多彩なストリーミング機能を統合した、この価格帯で他に類を見ないコンパクト・ワイヤレス・スピーカーです。優れた音響性能と接続性を両立し、市場で独自の地位を確立しています。

概要

KEF LSX IIは英国KEFが2022年に発売したワイヤレス・アクティブ・スピーカー・システムです。第11世代Uni-Qドライバーを搭載し、19mmアルミニウムドームツイーターと115mmマグネシウム/アルミニウム合金コーンの同軸配置を採用しています。Class D増幅により各チャンネルツイーター30W、ウーファー70Wの出力を実現し、24bit/384kHzまでのハイレゾストリーミング再生に対応しています。HDMI ARC、USB-C、光デジタル入力を備え、AirPlay 2、Google Chromecast、Bluetooth 4.2による無線接続が可能です。コンパクトなデスクトップ・ブックシェルフ設計で、デジタル信号処理による音質最適化機能を内蔵しています。

科学的有効性

\[\Large \text{0.7}\]

測定データによると、KEF LSX IIは54Hz-28kHz(±3dB)の周波数特性を実現し、同軸Uni-Qドライバーにより優れた位相特性を示しています。同軸配置により一般的な2wayスピーカーで発生する位相問題を軽減し、良好な音像定位を実現しています。Class D増幅の採用により低歪率を実現し、バイアンプ設計により各ドライバーの個別制御が可能です。ただし、23kHz以上で急激な出力低下が見られ、これは48kHzサンプリング処理による制限と考えられます。小型筐体による物理的制約から、低域は58Hzでのポートチューニングにより補強されているものの、フルレンジ再生には限界があります。総合的に見ると、サイズ制約を考慮すれば良好な測定結果を示していますが、透明レベルの完全な達成には至っていません。

技術レベル

\[\Large \text{0.8}\]

KEF LSX IIは第11世代Uni-Qドライバー技術を採用し、同軸配置による音響的利点を活用しています。W2ワイヤレス・ストリーミング・プラットフォームにより384kHz/24bitまでのハイレゾ対応を実現し、DSP処理による音質補正機能を内蔵しています。各スピーカーに4基のDAC(ドライバー毎に専用)を配置し、デジタル・クロスオーバーによる精密な帯域分割を実現しています。筐体設計では小型化による物理的制約があり、共振抑制には一定の限界があります。Class D増幅の採用により高効率と低発熱を実現し、コンパクトな筐体に多機能を統合した設計は技術的に優れています。ただし、上位モデルLS50シリーズのMetamaterial Absorption Technology(MAT)は非搭載であり、技術的な完全性には改善の余地があります。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{1.0}\]

KEF LSX IIの市場価格は約205,000円です。この製品のコストパフォーマンスを評価するにあたり、機能と測定性能の両面で同等以上と言える安価な代替品が存在するかを精査しました。市場にはTriangle AIO TwinのようなWi-Fiストリーミング対応アクティブスピーカーも存在しますが、LSX IIが備えるHDMI ARCやUSB-C入力といった豊富な接続性を欠いています。また、信頼できる第三者機関による詳細な測定データ(スピノラマ等)で比較した場合、LSX IIのサイズを超えたフラットな周波数特性と優れた指向性は、同価格帯の競合製品に対して明確な優位性を示しています。機能と客観的な測定性能の両方を考慮すると、LSX IIと同等以上のパッケージをより安価に提供する製品は、現時点で見当たりません。レビューポリシーに基づき、実質的に代替品が存在しないため、コストパフォーマンスは最高の1.0と評価します。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.8}\]

KEFは英国に本拠を置く老舗オーディオメーカーとして、長期的な製品サポート体制を整備しています。LSX IIには標準的な保証期間が設定され、日本国内でも正規代理店による修理・サポートが提供されています。ワイヤレス製品としてファームウェア更新に対応し、機能向上や不具合修正が継続的に行われています。Class D増幅の採用により発熱が抑制され、長期使用における信頼性が向上しています。デジタル信号処理回路の複雑化により故障リスクは若干高まりますが、現代的な設計により全体的な信頼性は良好です。ただし、ワイヤレス・ストリーミング機能の長期的な互換性維持や、専用アプリケーションの継続的な開発・更新については、メーカーの事業継続性に依存する部分があります。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.7}\]

KEF LSX IIの設計思想は、コンパクトな筐体にハイエンド技術を統合するという現代的なアプローチを採用しています。同軸Uni-Qドライバーによる音響的利点の活用は科学的に合理的であり、デジタル信号処理による音質最適化も測定可能な改善をもたらしています。Class D増幅とデジタル・クロスオーバーの組み合わせは効率的で、24bit/384kHzハイレゾ対応により理論的な音質向上の可能性を提供しています。ただし、物理的制約による低域性能の限界を完全に克服するには至っておらず、また上位モデルで採用されているMATの非搭載により、技術的な完全性には改善の余地があります。ワイヤレス機能の統合により利便性は向上していますが、信号処理の複雑化により音質劣化のリスクも存在します。全体的には合理的な設計思想に基づいていますが、価格との整合性において改善が必要です。

アドバイス

KEF LSX IIは、その価格帯において技術的に際立ったワイヤレススピーカーです。独自の同軸Uni-Qドライバーによる正確な音像定位と、AirPlay 2やChromecast、HDMI ARCまで含む包括的な接続性は、他の製品では得難い大きな利点です。市場には様々なワイヤレススピーカーが存在しますが、本機と同等の機能と、客観的な測定データで裏付けられた音響性能を両立した直接的な競合製品はほとんど見当たりません。LSX IIの価値は、KEFブランドの信頼性、洗練されたデザイン、そしてUni-Qドライバーがもたらす優れた音響性能にあります。コンパクトな筐体から驚くほど質の高いサウンドを実現しており、その性能は価格を十分に正当化します。省スペースで本格的なHi-Fiサウンドを求めるユーザーにとって、これ以上ない選択肢の一つと言えるでしょう。

(2025.7.18)