Lewitt Connect 6
フルデジタルのモバイル連携とオンボードDSP、柔軟なルーティングを備えたクリエイター志向のUSB-Cインターフェース。価格帯で独自性が高い一台です。
概要
Connect 6は、PCとモバイルを併用する制作・配信ワークフローに最適化されたデスクトップ型インターフェースです。マイク/ライン兼用の2系統プリアンプ、ステレオAUX入力、独立ヘッドホン×2、バランス出力を装備し、内部ルーティングによりループバックおよびモバイル入出力を含む6×6のUSBストリームを提供します。PC側は24-bit/96 kHz、モバイル側は24-bit/48 kHzに対応。MFi認証によりiPhone/iPadとの接続性も確保し、ハードウェアDSPはダイナミクス/EQやMaximizer、Auto Setupを駆動します [1]。
科学的有効性
\[\Large \text{0.6}\]独立した網羅的測定は限られており、現時点の根拠はメーカー公表値が中心です。主な数値は、ゲイン範囲–6〜72 dB、等価入力雑音 –133 dBV(A加重)、THD 0.002 %、帯域20 Hz–20 kHz。PC側は44.1/48/96 kHz、モバイル側は44.1/48 kHzに対応します [1]。これらが第三者測定で裏付けられれば、一般的な可聴閾値を満たす透明性が期待できますが、現状はループバックSINADやダイナミックレンジ、クロストーク等の詳細データが不足しているため、評価は暫定とします。実使用上の高ゲイン・低ノイズに関する好意的な記述はありますが、系統的ベンチ測定は未確認です [2]。
技術レベル
\[\Large \text{0.7}\]PCとスマホを同時に統合するデュアルUSB設計、ゼロレイテンシーのDSP(コンプ/4バンドEQ/エキスパンダー/マキシマイザー)、Auto Setup、複数ループバック/独立ミックスを一体化した点は現代の制作・配信に合理的です。公称のプリアンプ性能(–133 dBV EIN、72 dBゲイン)やDSPモニタリングも技術的に堅実です。留意点として、楽器入力のインピーダンスは3.9 kΩと公称されており、パッシブピックアップ直差しでは負荷が大きくなる可能性があるため、必要に応じてDI併用が推奨されます [1]。
コストパフォーマンス
\[\Large \text{1.0}\]本機の米国市場価格は 349 USD [3]、国内実勢は 45,800円 前後です(参考:国内代理店表示。米国価格 349 USD)[7][3]。比較の基準は「XLRマイク×2、オンボードDSP(ゼロレイテンシーモニタリング)、PC接続と同時動作するフルデジタルのモバイル入出力」を満たすこととしました。一般的に安価な代替機は条件を満たしません。例えば Yamaha AG06MK2 はDSPとスマホ入出力を備えますがTRRSでのアナログ経路であり、同時デュアルUSBホスト運用は想定していません [4]。MOTU M6 は音質面で実績がありますが、専用のスマホUSB入出力はありません [5]。同等以上の要件を満たす製品としては RØDECaster Duo(デュアルUSB-Cと強力なDSP)が挙げられますが 価格は499 USD と高価です [6]。以上より、同等以上でより安価な選択肢は確認できず、CPは 1.0 とします。
(価格表記の方針:日本語記事では国内価格を円で併記し、CPはUSD基準で評価しています。)
信頼性・サポート
\[\Large \text{0.6}\]製品は2年保証、ASIOドライバーおよびControl Centerソフトを提供し、macOSクラスコンプライアント、iOS/Android対応(MFi認証、条件により充電可)です [1]。発売からの時間は長くないため長期信頼性データは限定的ですが、資料やファームウェア/ドライバー提供体制は整備されています。
設計思想の合理性
\[\Large \text{0.6}\]配信・通話・SNS連携などPC+スマホ同時運用の現実的課題を、デジタル統合・DSP・ループバックで正面から解決する方針は合理的です。詳細メータリング等の「従来型スタジオ向け」要素より、クリエイター向け機能を優先したトレードオフは一貫しています。楽器直結時のインピーダンス面は小さな減点要素です [1]。
アドバイス
PCアプリ(DAW/会議/再生)とスマホ側アプリ(Instagram/TikTok/通話)を同時に扱い、ループバックや放送系処理を手早く整えたい方に適しています。クリーンな2系統プリアンプ、独立ヘッドホン×2、DSPによる即戦力の音作りで制作を効率化します。スマホ連携を不要とする純スタジオ用途ならMOTU M6等の一般的インターフェースも有力です。パッド操作やショー運用を重視するならRØDECaster Duoも選択肢ですが、価格上昇を受け入れる必要があります [5][6]。パッシブギター直結主体の方はDI併用をご検討ください [1]。
参考情報
[1] LEWITT, 「CONNECT 6 – audio interface for content creators」:仕様(ゲイン/EIN/THD、サンプリング周波数、MFi、ルーティング等)、参照日 2025-08-14。https://www.lewitt-audio.com/connect-6
[2] Sound On Sound, 「Lewitt Connect 6 レビュー」, 参照日 2025-08-14。https://www.soundonsound.com/reviews/lewitt-connect-6
[3] Sweetwater, 「Lewitt Connect 6 USB-C Audio Interface」:米国価格 349 USD 掲載、参照日 2025-08-14。https://www.sweetwater.com/store/detail/Connect6–lewitt-connect-6-usb-c-audio-interface
[4] Yamaha, 「AG06MK2」:TRRSスマホ入出力・USBループバック等の仕様、参照日 2025-08-14。https://usa.yamaha.com/products/proaudio/live_streaming_gaming/ag/ag06mk2/index.html
[5] MOTU, 「M6 – 6-in/4-out USB-C audio interface」:iOS対応記載(専用スマホUSB I/Oなし)、参照日 2025-08-14。https://motu.com/products/m-series/m6
[6] Sweetwater, 「RØDE RØDECaster Duo Streaming Mixer」:デュアルUSB-C、価格 499 USD、参照日 2025-08-14。https://www.sweetwater.com/store/detail/RodecasterDuo–rode-rodecaster-duo-streaming-mixer
[7] MINET(国内取り扱い), 「CONNECT 6」:国内税込価格 45,800円、参照日 2025-08-14。https://www.minet.jp/brand/lewitt/connect-6/
(2025.8.14)