Loxjie D20
AK4497搭載のデスクトップDAC/ヘッドホンアンプ。第三者測定ではTHD+Nは透明域に到達する一方、総合指標のSINADは控えめで、ヘッドホン出力の高インピーダンスが課題です。
概要
Loxjie D20はAKM社AK4497EQ DACを採用したデスクトップ型DAC/ヘッドホンアンプです。PCMは最大32ビット/768 kHz、DSDはDSD512まで対応し、USB・光・同軸入力、ライン出力およびヘッドホン出力を備えます。フォーマット表示用OLEDとリモコンが付属します。
科学的有効性
\[\Large \text{0.6}\]第三者測定ではSINAD約83 dB(≈2.83 V)、すなわちTHD+N ≈ 0.008%が報告されており、THD+N 0.01%以下という透明閾値は満たします。一方で総合指標としてのSINADは現行の透明級に対して余裕が小さく、ヘッドホン出力インピーダンス約21 Ωは実用上大きく、低〜中インピーダンス機や多ドライバIEMで周波数特性の変動を引き起こします。出力を1 Vに下げてもSINADは約90 dBにとどまり、S/N面の余裕は限定的です。したがってライン出力はTHD+N観点で透明到達と評価できる一方、ヘッドホン段は測定上の弱点が明確です。[1]
技術レベル
\[\Large \text{0.5}\]AK4497EQとXMOSの組み合わせは有能ですが最先端ではありません。トロイダル電源やCNCアルミ筐体、ディスクリートのヘッドホン駆動段など物量投入は見られるものの、測定結果からは実装上の課題によりチップの潜在能力が十分に引き出せていないことが示唆されます。フォーマット対応は充実しています。
コストパフォーマンス
\[\Large \text{0.8}\]比較対象(同等以上で最安):TOPPING DX3 Pro+ — 199 USD(通常価格)
機能:USB/光/同軸DAC、ラインアウト、ヘッドホンアンプ(Bluetoothは付加機能)。
性能:透明級の測定結果と低出力インピーダンス。 [2][3]
CP計算(USDで統一): 199 USD ÷ 240 USD = 0.83 → 0.8(四捨五入)。
DX3 Pro+は同等以上の機能と優れた測定性能をより低価格で実現するため、D20のコストパフォーマンスは限定的です。
信頼性・サポート
\[\Large \text{0.4}\]Loxjieは比較的新しいブランドで、世界的なサポート体制や長期の実績データは限定的です。筐体工作は堅牢ですが、広範な実地データは乏しく、販売・サポートは主にオンライン経由です。
設計思想の合理性
\[\Large \text{0.4}\]電源や筐体、ディスクリートHP段への投資は見られるものの、測定上の透明性向上につながっていません。高い出力インピーダンスは工学的な観点から好ましくなく、透明化という目的に対し効率的とは言えません。
アドバイス
ライン出力のみでのDAC用途ではTHD+Nの観点で透明到達が期待できますが、SINAD余裕とヘッドホン段は現行機に見劣りします。240 USDの価格を考えると、TOPPING DX3 Pro+のような同等機能で測定性能が明確に上回るAIOを優先すべきです。DAC単体が目的であれば、この価格帯にはより透明性の高い選択肢が多数存在します。
参考情報
[1] Audio Science Review, “Review and Measurements of LOXJIE D20 DAC and Headphone Amp”, https://www.audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/review-and-measurements-of-loxjie-d20-dac-and-headphone-amp.6011/, 2025年8月24日参照。
[2] Apos Audio, “TOPPING DX3 Pro+ Bluetooth DAC/Amp”, https://apos.audio/products/topping-dx3-pro-plus-bluetooth-dac-amp, 2025年8月24日参照。
[3] Audio Science Review, “Topping DX3 Pro+ Review (DAC & Headphone Amp)”, https://www.audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/topping-dx3-pro-review-dac-headphone-amp.27148/, 2025年8月24日参照。
(2025.8.24)