miniDSP PocketADC

参考価格: ? 7800
総合評価
3.8
科学的有効性
0.9
技術レベル
0.7
コストパフォーマンス
1.0
信頼性・サポート
0.4
設計思想の合理性
0.8

優秀な測定性能を持つコンパクトADC。等価以上の競合とUSD基準で比較してもコストパフォーマンスは強力です

概要

miniDSP PocketADCは、RCAステレオアナログ入力をS/PDIF同軸およびTOSLINK光デジタル出力に変換する極めてコンパクトな高分解能アナログデジタル変換器です。DIPスイッチで48/96/192 kHzのサンプリングレートを選択でき、メーカー公称でSNR 118 dBおよびTHD+N −114 dBの性能を示します。 [1][2]

科学的有効性

\[\Large \text{0.9}\]

公開仕様は主要指標で透明性の目安を大きく上回ります。SNR 118 dBは概ね105 dBの透明レベルを十分に超え、THD+N −114 dB(0.0002%)も0.01%の基準を大きく下回ります。24ビット/可聴帯域(20 Hz〜20 kHz)で動作し、サンプリングは48/96/192 kHzが選択可能であることをメーカー資料で確認できます。 [1][2]

技術レベル

\[\Large \text{0.7}\]

ESS SABRE系ADCのHyperStream-IIクラスのモジュレーションを採用し、ジッター影響を可聴帯域外へ追い出す設計思想です。実装は堅実で、コンパクト筐体に必要十分な機能をまとめた現実解といえます。 [2][3]

コストパフォーマンス

\[\Large \text{1.0}\]

機能・測定性能で同等以上のうち最も安価に確認できた比較対象として、Lynx Hilo 2(ライン入力 THD+N −117 dBDR 122 dBS/PDIF同軸/光I/Oを搭載、3,999 USDの公式SRP)を用いると、PocketADCの価格優位は明確です。評価計算は英日ともUSD基準で整合させています。 [4]

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.4}\]

保証は標準で1年間です。可動部のないシンプルな構造は本質的に堅牢で、サポートポータルや資料も整備されていますが、延長保証などの特筆点はありません。 [5]

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.8}\]

仕様の明示と測定値に基づく設計で、PC不要のS/PDIF/TOSLINKデジタル化という用途に的確です。部品選定と機能は性能目標と整合し、実用的な小型フォームファクターに合理的に落とし込まれています。 [1][2]

アドバイス

プロ級仕様のA/D変換が必要なユーザーに適した選択肢です。軽用途向けの低価格変換器もありますが、帯域やノイズ/歪みマージンが大きく劣ることが多く、等価以上の比較対象にはなりません。用途と要求性能に応じて選択ください。

参考情報

[1] miniDSP(公式)— 製品ページ「PocketADC – Audiophile ADC」: https://www.minidsp.com/products/usb-audio-interface/pocketadc
[2] miniDSP(公式)— 「Product Brief – miniDSP Pocket ADC」(PDF): https://www.minidsp.com/images/documents/Product%20Brief%20-%20miniDSP%20Pocket%20ADC.pdf
[3] ESS Technology — ES9821Q 概要(HyperStream-II): https://www.mouser.com/new/ess-technology/ess-tech-es9821q-adc/
[4] Lynx Studio Technology(公式)— 「Hilo 2」(仕様・S/PDIF I/O・SRP掲載): https://www.lynxstudio.com/products/hilo2/
[5] miniDSP Support — 「What is the warranty on miniDSP products?」: https://support.minidsp.com/support/solutions/articles/47000681533-what-is-the-warranty-on-minidsp-products-

(2025.9.8)