MOTU M4
ESS Sabre32 Ultra DAC、包括的LCDメータリング、超低レイテンシー動作を搭載し、競争力のある価格設定でエントリーレベルの4x4 USB-Cオーディオインターフェースとして優れた測定性能を実現。
概要
MOTU M4は、エントリーレベルのプロフェッショナル市場向けに位置付けられた4入力4出力のUSB-Cオーディオインターフェースです。MOTUのMシリーズの一部として発売され、ESS Sabre32 Ultra DAC技術を採用し、メーカー測定でメイン出力のダイナミックレンジ120 dB、24ビット/192 kHzを実現しています[2]。全入出力のレベルを可視化するフルカラーLCD、96 kHz/32サンプル時に2.5 msのラウンドトリップレイテンシー(メーカー測定)[2]、マイク入力EIN -129 dBu(メーカー)[2] を備え、300ドル未満の価格帯で測定重視の解を提示します。
科学的有効性
\[\Large \text{0.8}\]メーカー測定として、出力DR 120 dB、マイク入力EIN -129 dBu、96 kHz/32サンプル時のRTL 2.5 msが提示されています[2]。独立検証(Audio Science Review)でも、ダイナミックレンジ/SINAD、THD+N/IMDといった指標で本サイトの透明しきい値に整合する結果が報告されており[1]、科学的有効性は高いと判断できます。総じて、ダイナミックレンジ(≥105 dB)と歪み(THD+N ≤0.01%相当)の透明しきい値を十分にクリアしており、高評価に整合します。
技術レベル
\[\Large \text{0.8}\]M4はESS Sabre32 Ultra DAC技術を組み込んでおり、通常はプレミアムインターフェース向けに使用される業界標準の高性能変換を表しています。全ての入力と出力にリアルタイムレベルメータリングを提供するフルカラーLCDディスプレイは、この価格帯では珍しい高度な実装を示しています。96kHzで32サンプルバッファによる2.5msの超低レイテンシー実現は、洗練されたドライバー最適化を示しています。DCカップリング出力はモジュラーシンセサイザー統合を可能にし、ハードウェアモニタリングはゼロレイテンシー動作を提供します。プレミアム変換技術と思慮深い機能実装の組み合わせが、典型的なエントリーレベル製品を超えた設計に押し上げています。
コストパフォーマンス
\[\Large \text{1.0}\]現在の米国市場価格はM4が269.95 USD(B&H)[3]。同等比較対象としてFocusrite Scarlett 4i4 4th Genは299.99 USD(B&H)[4]で、ユーザー観点の機能(4x4 I/O、MIDI、24-bit/192 kHz)と測定透明クラスの性能が同等と判断できます。現行量産品で、M4の測定透明クラスかつ同等機能を持ちながら、これより安価に購入できる製品は確認できていません。このため、M4が同等以上では最安と判断し、CP=1.0とします。
信頼性・サポート
\[\Large \text{0.6}\]MOTUはWindows、macOS、iOSプラットフォームをサポートする一貫したドライバー更新により確立された市場での存在感を維持しています。標準的な保証範囲と技術サポートインフラが業界標準を満たしています。定期的な互換性更新により継続的な開発サポートが実証されています。ユーザーフィードバックやプロフェッショナルレビューで重大な信頼性問題は報告されていません。プロフェッショナルオーディオでの会社の長年の存在感が継続サポートへの信頼を提供しますが、具体的な信頼性指標やMTBFデータは公開されていません。
設計思想の合理性
\[\Large \text{0.9}\]設計思想はESS Sabre32 Ultra変換器選択を通じて測定可能なオーディオ性能を優先し、エントリーレベル価格で透明レベル仕様を達成しています。LCDメータリング実装は測定ベースのモニタリング実践をサポートする客観的視覚フィードバックを提供します。DCカップリング出力は現代のシンセシス用途への実用的配慮を示しています。ハードウェアモニタリングは直接モニタリングシナリオでソフトウェア誘起レイテンシーを排除します。主観的強化機能より定量化可能な性能向上への焦点は、科学的に合理的な開発優先順位を反映しています。ソフトウェアバンドルには過度なマーケティング主導の追加なしに実用的ツールが含まれています。
アドバイス
MOTU M4は、測定されたオーディオ品質と包括的なモニタリング能力を重視する4x4 I/Oを必要とするユーザーにとって最適な選択です。ESS Sabre32 Ultra DACは通常2–3倍の価格のインターフェースに紐づく性能を提供し、LCDメータリングはこの価格帯では珍しいプロフェッショナルグレードの視覚フィードバックを提供します。最大ヘッドフォン音量を最優先する場合は、使用ヘッドフォンの必要レベルに対して余裕を確認すると安心です。主観的特性より客観的オーディオ品質を優先するレコーディング用途において、M4は測定検証された性能により例外的な価値を提供します。
参考情報
[1] Audio Science Review, “Motu M4 Audio Interface Review”, https://www.audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/motu-m4-audio-interface-review.15757/(2025年8月11日アクセス)
[2] MOTU, “M4 | MOTU.com”, https://motu.com/en-us/products/m-series/m4/(2025年8月11日アクセス) |
[3] B&H Photo, “MOTU M4 USB-C Audio-MIDI Interface”, https://www.bhphotovideo.com/c/product/1514483-REG/motu_3140_m4_4x4_usb_c_audio.html(2025年8月11日アクセス)
[4] B&H Photo, “Focusrite Scarlett 4i4 USB-C Audio/MIDI Interface (4th Generation)”, https://www.bhphotovideo.com/c/product/1779668-REG/focusrite_scarlett_4i4_4g_scarlett_4i4_4th.html(2025年8月11日アクセス)
(2025.8.11)