MOTU UltraLite-mk5

参考価格: ? 104993
総合評価
4.5
科学的有効性
0.9
技術レベル
0.8
コストパフォーマンス
1.0
信頼性・サポート
0.9
設計思想の合理性
0.9

ESS Sabre32 DACを搭載し、マスタリング品質の125dBダイナミックレンジと優秀な測定性能を699.95 USD(約105,000円・参考)で実現するプロフェッショナル18×22 USB-Cオーディオインターフェース。

概要

MOTU UltraLite-mk5は、MOTUのコンパクトオーディオインターフェースシリーズの第5世代製品で、18入力・22出力の合計40同時チャンネルをポータブルなハーフラック筐体に収めています。ESS TechnologyのリファレンスグレードES9026PRO SABRE DACを核として設計され、125dBダイナミックレンジ、-114dB THD+N、USB-C接続での2.4msという低レイテンシーを実現したプロフェッショナルグレード変換器です。オンボードDSP処理、光ADATを含む包括的I/O、Mac・PC・iOSプラットフォーム対応を特徴としています。

科学的有効性

\[\Large \text{0.9}\]

UltraLite-mk5は、マスタリング品質領域に位置する優秀な測定性能を実現しています。公称仕様では125dBダイナミックレンジと-114dB THD+Nを謳っており、Audio Science ReviewとSound on Soundの第三者測定でもこれらの数値がおおむね確認されています[1][2]。ライン入力では120dBダイナミックレンジと-113dB THD+Nを達成し、ライン出力では124dBダイナミックレンジを実現しており、Focusrite Clarett+やPrism ADA-128コンバーターと同等の性能です[2]。マイクプリアンプは-129dB EINと最大74dBのクリーンゲインを提供します。ASRの包括的測定では当初192kHzサンプリングで問題が発見されましたが、ファームウェアアップデートで解決され、最終的に推奨評価を獲得しました[1]。ES9026PRO SABRE DACと高性能ADC実装は現行リファレンス標準の変換技術であり、すべての重要パラメータでトランスペアレント閾値を超える測定値を実現しています。

技術レベル

\[\Large \text{0.8}\]

MOTUは、ESS TechnologyのES9026PRO SABRE DACと高性能ADCを実装し、堅実なエンジニアリングを示しています。設計には安定したクロックと独立したA-D/D-A経路が組み込まれています。オンボードDSPにより、コンピューターCPU負荷なしでリアルタイム処理が可能です。USB-C実装は、プロフェッショナル仕様を維持しながら複数プラットフォームでのクラスコンプライアント動作をサポートします。ただし、コアアーキテクチャは独自技術よりもESS実証済みリファレンス設計に大きく依存しています。CueMix 5ソフトウェアとルーティング機能は、業界標準インターフェース機能の有能だが画期的ではない実装を示しています。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{1.0}\]

699.95 USDのUltraLite-mk5は、699.99 USDのFocusrite Scarlett 18i20 4th Genと価格同等で競合します。Scarlettは同等クラスの18入力/20出力構成、USB-C接続、同等水準の変換性能を提供します。価格が実質同額のため、価値は機能差で決まります: 699.95 ÷ 699.99 = 1.00。UltraLite-mk5はオンボードDSPミキサー/エフェクト、検証済みの往復2.4ms低レイテンシー、マスタリング級変換を備え、現行ストリート価格でも競争力ある価値を提供します。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.9}\]

MOTUは、Audio Science Reviewで指摘された192kHzサンプリング問題の迅速な解決で実証されたように、報告問題に対処する定期的ファームウェアアップデートによって製品サポートへの強いコミットメントを示しています。同社は詳細なユーザーガイドと技術仕様を含む包括的ドキュメントを提供します。UltraLite-mk5はクラスコンプライアント動作によりWindows・macOS・iOS用クロスプラットフォームドライバーサポートを提供します。1984年以来のプロフェッショナルオーディオ分野でのMOTUの確立された地位は継続的サポートへの信頼を提供します。ユニット構造はモバイル用途に適した堅牢な鋼鉄筐体を特徴とします。標準保証条件が適用されますが、具体的故障率データは公開されていません。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.9}\]

MOTUの設計思想は、測定可能な性能向上と実用的機能性を強く重視しています。ESSのリファレンスグレードコンバーター選択は、マーケティング指向の機能追求よりもトランスペアレントオーディオ再現を直接的に目標としています。125dBダイナミックレンジと0.01%未満THD+Nの達成への注力は、科学的に意味のある性能パラメータへのコミットメントを示しています。包括的I/Oオプション、低レイテンシーUSB-C実装、クロスプラットフォーム対応の包含は、実際のユーザー要件に対応しています。応答的ファームウェアアップデートアプローチは、測定性能問題を却下するのではなく対処する意欲を示しています。価格戦略は、プレミアムながらも提供性能レベルに対して合理的範囲内に留まり、ブティックオーディオ製品に一般的な過度なマークアップを回避しています。

アドバイス

MOTU UltraLite-mk5は、検証されたトランスペアレント性能を持つプロフェッショナルグレードマルチチャンネル録音を必要とするユーザーに適しています。豊富なI/O、マスタリング品質変換、堅牢なソフトウェア統合の組み合わせにより、本格的ホームスタジオとモバイル録音用途に理想的です。予算が主要関心事でオンボードDSP処理が不要な場合は、Focusrite Scarlett 18i20 4th Genを検討してください。UltraLite-mk5は、絶対最低価格よりも測定性能と包括的機能セットを優先するユーザーにとって堅実な価値を提供します。

参考情報

[1] Audio Science Review, MOTU UltraLite-mk5 Review (Audio Interface), https://audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/motu-ultralite-mk5-review-audio-interface.24777/, 参照 2025-08-10, 125dBダイナミックレンジ、-114dB THD+N、2.83V/1m測定条件

[2] Sound on Sound, MOTU UltraLite Mk5 Review, https://www.soundonsound.com/reviews/motu-ultralite-mk5, 参照 2025-08-10, ライン入力120dBダイナミックレンジ、ライン出力124dBダイナミックレンジ、Focusrite Clarett+とPrism ADA-128との比較

[3] Sweetwater, Focusrite Scarlett 18i20 4th Gen, https://www.sweetwater.com/store/detail/Scar18i20G4–focusrite-scarlett-18i20-fourth-generation-usb-audio-interface, 参照 2025-08-10, 699.99 USD価格、18入力/20出力 USB-C構成

[4] Sweetwater, MOTU UltraLite-mk5 18x22 USB Audio Interface, https://www.sweetwater.com/store/detail/Ultralite5–motu-ultralite-mk5-18x22-usb-audio-interface, 参照 2025-08-10, 699.95 USD価格、18入力/22出力 USB-C構成

(2025.8.10)