Primare I22
UFPDクラスDを採用した80W×2の旧世代プリメイン(オプションDAC対応)。主要スペックは良好だが測定的に最新機に劣り、同等以上の性能はより低価格で代替可能。総合2.2点。
概要
I22はUFPD(Ultra Fast Power Device)方式のクラスDを採用する80W×2のプリメインで、2010年の20/30シリーズ刷新時に登場したモデルです(2011年頃市販)[2][7]。本体はアナログ入力4系統、プリ/RECアウトを装備し、オプションDAC基板追加でToslink/同軸/USB-Bの3デジタル入力に拡張できます[1]。現在は過去製品扱い(生産完了)です[3]。
科学的有効性
\[\Large \text{0.5}\]メーカー公称で周波数特性10Hz–20kHz(-0.5dB)、THD<0.05%(20Hz–20kHz、10W/8Ω)、S/N -95dBV を示し、定格出力は8Ωで80W×2です[1]。帯域・歪率は可聴域で概ね良好ですが、THDおよびS/Nは最新の測定優秀機(透明域)に比べ余裕が小さく、可聴上の透明性は「中庸」と判断します。第三者によるI22個体の網羅的測定は未確認のため、本項はメーカー値に基づく暫定評価です[1]。
技術レベル
\[\Large \text{0.6}\]UFPDは可聴帯域全域で一定のループゲインを確保し負荷依存を抑える狙いのクラスD実装で、当時としては独自性のある設計でした[1][2]。一方、現在は高性能なモジュール/ICベースのD級が普及し実測性能の天井が上がっているため、相対的な優位は縮小しています。設計独自性を加点しつつ、年代要因で総合0.6とします。
コストパフォーマンス
\[\Large \text{0.1}\]比較基準(同等以上)
機能同等化のため、Fosi Audio V3(パワーアンプ)にSchiit SYS(2入力パッシブ・プリアンプ)を組み合わせ、入力切替と音量調整を備える「実用的な一体型アンプ相当」として比較します。V3は高出力のTPA3255採用で低歪・良好S/Nの第三者測定があり[6]、I22の公称THD/SNと比較しても性能は同等以上、入出力機能も本組み合わせで実用同等です[4][5][6]。
価格(代表市場価格)
V3:89 USD(公式)[5]、SYS:49 USD(公式)[4]、合計 138 USD。
I22(当時の販売価格・MSRP):1,799 USD(レビュー記載価格)[7]。
計算(表示要件)
138 USD ÷ 1,799 USD = 0.0767 → 小数1位丸めで 0.1。
※現在はI22が生産完了で新規流通価格の参照が難しいため、MSRPを分母として採用しました[7]。同等以上の代替手段が新価格で一桁安で入手可能であり、CPは最低水準です。
信頼性・サポート
\[\Large \text{0.5}\]I22は機械可動部のないシンプルなアナログ増幅製品で故障因子は少ない一方、製品自体は過去製品で新品供給はありません[3]。Primareの現行保証は原則2年(地域条件あり)でメーカーサポート体制は標準的です[1][3][※保証方針:4]。特段の広域リコールや高故障率の一次情報は見当たらず、平均的な0.5とします。
設計思想の合理性
\[\Large \text{0.5}\]UFPDは測定指標(歪・負荷依存)改善を狙う合理的アプローチで、不要機能を廃した構成も一貫しています[1]。ただし、聴感上の透明性で最新D級や低価格機の実測優秀機が台頭した現在、価格対効果は低下。科学的合理性は保つものの、費用対効果の面で積極加点は困難です。
アドバイス
I22は堅実な機能と十分な出力を備える旧世代の統合アンプです。既存個体を保有し不具合がないなら継続使用は合理的です。新規導入や買い替えでは、低歪・良好S/Nを示す現行D級と簡易プリの組み合わせや、同等測定性能を持つ現行プリメインを優先してください。省エネ待機0.3Wは運用面の利点ですが、測定性能/価格の観点では代替の方が有利です[1][4][5][6]。
参考情報
[1] Primare, “I22 User Guide,” https://primare.net/wp-content/uploads/2017/03/I22UserGuide.pdf (参照 2025-08-25)— 10Hz–20kHz(-0.5dB), THD<0.05%(20Hz–20kHz, 10W/8Ω), S/N -95dBV, 2×80W/8Ω, 待機0.3W, オプションDAC入力仕様。
[2] Primare, “History,” https://primare.net/about/history/ (参照 2025-08-25)— 2010年にI22(オプションDAC)を含む新シリーズ導入。
[3] Primare, “Past Products,” https://primare.net/support/past-products/ (参照 2025-08-25)— I22 が旧製品として掲載。
[4] Schiit Audio, “SYS,” https://www.schiit.com/products/sys (参照 2025-08-25)— 2入力パッシブプリ、価格49 USD。
[5] Fosi Audio, “V3 Amplifier,” https://fosiaudio.com/products/fosi-audio-v3-300w-x2-2-0-channel-hi-fi-stereo-audio-amplifier-with-tpa3255-chip (参照 2025-08-25)— 製品情報・価格89 USD。
[6] Audio Science Review, “Fosi Audio V3 Amplifier Review,” https://www.audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/fosi-audio-v3-amplifier-review.45757/ (2023-06-20 公開, 参照 2025-08-25)— 低歪・良好S/Nの第三者測定。
[7] Tone Publications, “The Primare I22 Integrated,” https://www.tonepublications.com/review/the-primare-i22-integrated/ (参照 2025-08-25)— I22 の MSRP 1,799 USD 記載。
(2025.8.25)