See Audio Bravery

参考価格: ? 44850
総合評価
2.2
科学的有効性
0.5
技術レベル
0.6
コストパフォーマンス
0.2
信頼性・サポート
0.5
設計思想の合理性
0.4

4BA構成のIEMですが、測定データが限定的で、同価格帯のハイブリッド競合製品と比較してコストパフォーマンスに劣ります。

概要

See Audio Braveryは、2021年にリリースされた4基のバランスドアーマチュア(BA)ドライバーを搭載するインイヤーモニターです。中国の新興オーディオメーカーであるSee Audioが、オーディオ愛好家コミュニティとの協力により開発しました。KnowlesとSonion製のBAドライバーを組み合わせ、電子クロスオーバー設計を採用しています。約299USDの価格帯において、純BA構成による高解像度サウンドを標榜しています。

科学的有効性

\[\Large \text{0.5}\]

公開測定データが限定的であるため評価は制約されます。周波数特性は20Hz-20kHzと公称ですが、第三者測定では中高域で±3dBを超える偏差が見られ、問題レベルに近づいています。THDは未明記で、BA典型値の推測では不十分です。18Ωのインピーダンスと110dBの感度は標準的ですが、SNR、IMD、クロストークなどの包括的データ不足により、平均水準と判断されます。

技術レベル

\[\Large \text{0.6}\]

4基のBA構成(低域Knowles×2、中域Sonion×1、高域Knowles×1)と電子クロスオーバーは業界標準です。独立音響チャンバーによる干渉抑制は評価できますが、実測寄与は限定的です。KnowlesとSonion製ドライバーの選定は妥当ですが、既製品組み合わせで独自性に欠けます。3way電子フィルターは一般的なため、平均的な技術設計と評価されます。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{0.2}\]

同等以上の測定性能を持つ製品として、SIMGOT EM6L(110USD、1DD+4BAハイブリッド)とTruthear Zero:Red(50USD、デュアルDD)が挙げられます。両者は第三者テストでより平坦な周波数特性と低い歪を示します。最安の計算:50USD ÷ 299USD ≈ 0.17、四捨五入で0.2です。これらの製品が低価格で同等以上の忠実度を提供するため、劣位にあります。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.5}\]

2019年設立のメーカーで、長期信頼性データは限定的です。1年間の製品保証は業界標準ですが、ケーブル類は3ヶ月です。Eメールベースのサポートで、多言語対応は不明です。HiFiGoなどのパートナー流通は確立されていますが、新興企業の修理・パーツ供給の不確実性から、平均水準と評価されます。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.4}\]

コミュニティ協力はユーザーニーズを反映する合理性があります。純BA構成は制御性の理論的優位性を持ち、電子クロスオーバーは最適範囲使用を可能にします。ハーマンカーブ調整は科学的ですが、実測で理論と実現の乖離があり、データ不足で効果検証が不十分です。

アドバイス

See Audio Braveryの購入を検討されている方には、代替製品の比較をお勧めします。Truthear Zero:Red(50USD)やSIMGOT EM6L(110USD)は優れた測定性能を低価格で提供します。純BAにこだわる場合も、データ限定的のため試聴を検討してください。新興ブランドのため長期サポートを評価します。299USDの予算で低価格品を選択し、差額をアクセサリーに充てる方が忠実度向上に有効です。

(2025.8.3)