SEE Audio Rinko

参考価格: ? 14800
総合評価
2.4
科学的有効性
0.3
技術レベル
0.5
コストパフォーマンス
0.5
信頼性・サポート
0.5
設計思想の合理性
0.6

V字型チューニングを採用したハイブリッドIEMで、魅力的なサウンドを提供するが技術的性能に妥協がある

概要

SEE Audio x Z Reviews Rinkoは、10mmダイナミックドライバーと6mmプラナーマグネティックドライバーのハイブリッドIEMです。[3] 国内ではエントリークラス、米国市場の実勢は99 USDです。[3] 付属ケーブルは0.78mm 2pinで、3.5mmまたは4.4mm終端のいずれかの仕様が流通します(モジュラープラグ同梱ではありません)。[3] サウンドは低域と高域が持ち上がるV字型傾向です。

科学的有効性

\[\Large \text{0.3}\]

メーカー仕様[3]では、THD+N ≤2%、周波数応答20Hz–20kHz、QA/QC許容差±1dB、インピーダンス30Ω、感度112dB±1dBが示されています。≤2%という全高調波歪+ノイズはIEMとして高めで、可聴帯域の透明性に不利です。現時点でRinkoの第三者測定は限定的であり、上記はメーカー値として区別して記載します(独立測定が出揃い次第反映します)。[3]

技術レベル

\[\Large \text{0.5}\]

ダイナミック+マイクロ・プラナーの二方式ハイブリッド構成と3Dプリント筐体は、近年一般化した設計の延長にあります。[3] 0.78mm 2pin着脱ケーブルや3.5/4.4mm終端の選択など実用性は確保していますが、新規性・ブレークスルーは限定的です。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{0.5}\]

より適切で安価な同等以上の比較対象はTRUTHEAR x Crinacle ZERO(49.99 USD)です。[1][2] 機能面(有線IEM、0.78mm 2pin着脱、3.5mm終端)で同等、測定面では周波数応答一貫性の標準偏差0.61 dB高調波歪0.06%(94 dB SPL)/ 0.22%(104 dB SPL)受動遮音 全帯域−16.34 dBなど客観値が確認でき、メーカー公称THD+N ≤2%のRinkoを明確に上回る透明性が示されています。[2][3]
したがって CP = 49.99 USD ÷ 99 USD = 0.5 です。[1][2][3]

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.5}\]

正規小売の一般的な保証水準は、IEM本体1年、ケーブル/アダプタ3ヶ月が標準的です。[4][5] SEE Audioは複数製品の継続展開実績がある一方、長期RMA統計などの公開情報は限られ、総じて平均的なサポート水準と評価します。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.6}\]

帯域役割を分担するハイブリッド構成は理に適しますが、THD+N ≤2%という仕様は、透明性最優先の設計とは言い難い方向性を示唆します。[3] V字型チューニングは嗜好に合えば魅力的ですが、忠実度(原音再現)とはトレードオフです。

アドバイス

Rinkoは元気なV字バランスを楽しみたい方に向きます。一方で測定主導の高忠実度を重視するなら、TRUTHEAR x Crinacle ZERO(49.99 USD)の方が第三者測定で低歪・高一貫性が確認でき、より低価格です。[1][2] 低音の量感を抑えたバランス寄りが好みならZERO: RED(約55 USD)や、やや上位のTRUTHEAR HEXA(79 USD)も候補です。[1][2]

参考情報

[1] Headphones.com — “TRUTHEAR In-Ear Monitor Headphones(ZERO 49.99 USD、ZERO: RED 54.99 USD等の一覧)”, https://headphones.com/collections/truthear , アクセス 2025-08-20
[2] RTINGS.com — “TRUTHEAR x Crinacle ZERO Headphones Review” (FR一貫性σ=0.61 dB、歪0.06%/0.22%、遮音−16.34 dB等), https://www.rtings.com/headphones/reviews/truthear/x-crinacle-zero , アクセス 2025-08-20
[3] HiFiGo — “SeeAudio x Z Reviews Rinko 1DD+1 Planar Dual-Driver IEMs” (仕様: 1DD+1 Planar、THD+N ≤2%、3.5mmまたは4.4mm終端), https://hifigo.com/products/seeaudio-x-z-review-rinko , アクセス 2025-08-20
[4] Linsoul — “Return Policy & Warranty” (IEM 1年、ケーブル/アダプタ3ヶ月), https://www.linsoul.com/pages/return-policy-and-warranty , アクセス 2025-08-20
[5] HiFiGo — “Warranty & Refund Policy” (IEM 1年、ケーブル/アダプタ3ヶ月), https://hifigo.com/pages/warranty-refund-policy , アクセス 2025-08-20

(2025.8.20)