Sendy Audio AIVA-2

参考価格: ? 88000
総合評価
2.9
科学的有効性
0.5
技術レベル
0.7
コストパフォーマンス
0.5
信頼性・サポート
0.6
設計思想の合理性
0.6

1ミクロン薄膜技術を採用した中国製プラナーマグネティック・ヘッドホン。技術的には優れているが、Sundaraと比較してコストパフォーマンスは劣る。

概要

Sendy Audio AIVA-2は、中国・東莞に拠点を置くSivga Electronic Technology Co., Ltd.のブランドSendy Audioが2025年に発表したオープンバックのプラナーマグネティック・ヘッドホンです。97×76mmのドライバーに厚さ1μmの超薄型両面磁性複合平面振動板を採用し、CNC加工のゼブラウッド製イヤーカップを備えます。価格は88,000円(599 USD)です。

科学的有効性

\[\Large \text{0.5}\]

公式スペック上、AIVA-2は20Hz-40kHzの周波数特性、32Ωインピーダンス、96dB感度を持ちます。プラナーマグネティック技術は低歪み特性が期待されますが、第三者による詳細な測定データは限定的です。同価格帯の競合製品との客観的な性能比較データも不足しており、測定に基づく優位性は不明です。科学的有効性は業界平均水準と評価します。

技術レベル

\[\Large \text{0.7}\]

1μm薄膜と両面磁気構造の組み合わせは先端技術に位置します。97×76mmの大判ドライバーや6N単結晶銅ケーブルの採用、CNC精密加工によるゼブラウッド製イヤーカップなど、設計面の配慮は妥当です。プラナーマグネティック技術の理論的優位性を活用した設計となっており、技術レベルは業界平均を上回る水準にあります。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{0.5}\]

AIVA-2の価格88,000円(599 USD)に対し、同等機能・性能を持つHiFiMAN Sundara(45,000円(299 USD))との比較では、299 USD ÷ 599 USD = 0.50となり、評価は0.5です。両機種とも32Ωインピーダンスのオープンバック・プラナーマグネティック設計で、基本機能は同等です。AIVA-2の技術的優位性があったとしても、価格差の大きさから合理的な選択とは言えません。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.6}\]

Sendy Audioは2015年設立の新興ブランドで、親会社Sivgaの製造基盤により一定の技術的信頼性が見込まれます。一方で、市場での長期的な実績や保証・修理体制の実績は限定的です。業界平均をやや上回る水準と評価します。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.6}\]

プラナーマグネティック技術の採用と1ミクロン薄膜による高速応答性の追求は、測定性能向上に寄与する合理的アプローチです。ウルトラナノ両面磁気構造も技術的には先進的な設計思想を示しています。ただし、ゼブラウッド製イヤーカップは音響的メリットよりも装飾的側面が強く、コスト増加要因となっています。同等の測定性能をより安価に実現する競合製品が存在する中で、高額な専用ヘッドホンとしての存在意義に疑問が残ります。測定性能向上の方向性は合理的ですが、コスト効率性の観点で課題があります。一般的なオーディオ製品として期待される機能は満たしています。

アドバイス

AIVA-2は優れた技術を投入していますが、コストパフォーマンス面で大きな課題があります。HiFiMAN Sundaraが約45,000円安価で同等以上の性能を提供するため、合理的な選択としてはSundaraが圧倒的に推奨されます。AIVA-2の1ミクロン薄膜技術やゼブラウッド製イヤーカップに特別な価値を見出し、約2倍の価格差を許容できる場合のみ選択肢となります。純粋な音質やコスト効率を重視する場合、同じ予算でSundaraと高品質なアンプの組み合わせを検討することが合理的です。プラナーマグネティック初体験の方には、より手頃で実績のあるSundaraから始めることを強く推奨します。技術的興味がある場合でも、価格差を考慮すると推奨しにくい製品です。

(2025.8.7)