概要

Shanling EH2は、自社開発の24ビットR2R DACとBD139/BD140トランジスタ出力段を採用したコンパクトなデスクトップDAC/ヘッドホンアンプです。公称で4.35 W（32 Ω・4.4 mmバランス）、シングルエンド1.28 W、Bluetooth 5.2（QCC5125／LDAC・aptX Adaptive対応）、USB-C/同軸/光入力、RCAおよび4.4 mmのライン／プリ出力を備えます。サイズは156 × 150 × 36.5 mm、重量713 g。OS/NOS切替も搭載します。 [1][2]

科学的有効性

\[\Large \text{0.6}\]

メーカー公表値は、周波数特性20 Hz–40 kHz（-0.5 dB）、SNR/DNR 118 dB、クロストーク111 dB（32 Ω）、THD+N 0.02 %（32 Ω）です。0.01 %の透明性基準は満たしておらず、第三者測定も未確認のため、このスコアは0.6とします。出力は高く（32 Ωで4.35 W・バランス）、駆動力は十分です。 [1]

技術レベル

\[\Large \text{0.6}\]

自社R2R DACモジュール、BD139/BD140出力段、XMOS XU316、LDAC/aptX Adaptive対応のBluetoothなど、現代的でそつのない構成です。ただし測定面ではデルタシグマ上位機に及びません。 [1]

コストパフォーマンス

\[\Large \text{0.8}\]

同等以上の機能・測定性能を持つ最安比較対象は TOPPING DX5 II です（4.4 mm/4ピンXLRのバランスHP出力、LDAC対応BT、USB/同軸/光入力、プリ出力）。DX5 IIは測定値（ライン出力THD+N <0.00006 %、SNR/DNR ≈132 dB）がEH2を大きく上回り、出力も上（32 Ωバランスで6.4 W×2）で、価格は299 USDです。
CP = 299 USD ÷ 369 USD = 0.81 → 0.8 と算出します。 [3][4][5]

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.7}\]

正規販売網と保証の取り扱いに関する公式案内があります（非正規マーケットは対象外）。アルミ筐体と外部12 V電源を採る堅実な作りですが、個別機種としての長期データはまだ限られます。 [6]

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.2}\]

本機はディスクリート増幅段と自社R2R DACを採用し、コストは高く最新デルタシグマ方式より測定性能が低い傾向です。トーンコントロールやOS/NOS、I/Oの充実は実用的ながら、「透明性重視のデスクトップ用途」としては、より安価で高性能なデルタシグマ競合に対し合理性が下がります。 [1][3][5]

アドバイス

測定性能・出力・価格重視なら TOPPING DX5 II が有利です（低歪み・高SNR・高出力・安価）。一方、R2R の採用やトーンコントロール、LDAC対応BT を備えたオールインワンという点に価値を感じるならEH2は検討に値します。 [3][4][5]

参考情報

[1] Shanling, 「Introducing Shanling EH2」（公式仕様）https://en.shanling.com/article-EH2Intro.html
[2] 「Shanling EH2 ユーザーガイド」（OS/NOS/UAC切替）https://manuals.plus/shanling/eh2-dac-headphone-amplifier-manual
[3] TOPPING, DX5 II 製品ページ（公式）https://www.toppingaudio.com/product-item/dx5-ii
[4] TOPPING Official Store – DX5 II（価格・仕様）https://www.topping.store/products/topping-dx5-ii-hi-res-dac-headphone-amp-combo
[5] TOPPING DX5 II 取扱説明書（THD+N・SNR・32 Ω時出力など）https://dl.topping.audio/um/dx5_ii.pdf
[6] Shanling, Warranty（保証案内／非対応マーケットの注意）https://en.shanling.com/category/256
[7] PRTIMES（国内）SHANLING EH2 価格の告知（63,360円）https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000088.000139013.html

(2025.8.16)