SMSL AO200MKII
4Ωで160W x 2のClass Dアンプ。Bluetooth 5.0、USBオーディオ入力、XLR/RCA入力、デュアルサブ出力、EQを搭載したコンパクト機
概要
SMSL AO200MKIIはInfineon MA5332MSを採用したコンパクトなClass Dインテグレーテッドアンプです。定格は4Ωで160W x 2(8Ωで85W x 2)。入力はバランスXLRとRCAに加えてBluetooth 5.0およびUSBオーディオ入力、出力は2.1構成に便利なRCAサブウーファー出力×2を備えます。DSPはEQプリセットと独立したトーン(Bass/Treble)調整を搭載。筐体は210 × 196 × 41 mm、1.6 kgです。主要機能と仕様は公式および小売サイトの技術情報で確認できます[1][2]。
科学的有効性
\[\Large \text{0.7}\]メーカー公表値では、THD+N 0.004%(1 kHz)、SNR 106 dB、チャンネルセパレーション85 dBです[1][2]。可聴閾の観点では、THD+N ≤0.01%、SNR ≥105 dB、クロストーク ≤−70 dB を満たしており透明域に達しています。出力は4Ωで160W x 2とされ、多くのブックシェルフや一部タワースピーカーに十分なヘッドルームを提供します[1][2]。MKII個体の独立ベンチ測定はまだ限られるため、本項は明示的にメーカー値を根拠とし、信頼できる外部測定が出揃い次第更新します。
技術レベル
\[\Large \text{0.6}\]MA5332MSによる高効率Class D出力段、NJW1194電子ボリューム、一般的なオペアンプという堅実な構成です。USBオーディオ、バランス入力、デュアルサブ出力、EQの一体化は価格帯としては充実していますが、回路自体は既存トポロジーの範囲にあり、業界最先端を切り開く新規性までは見られません[1][2]。
コストパフォーマンス
\[\Large \text{1.0}\]実勢価格は249 USD(約価格感)です[2]。XLRバランス入力+USBオーディオ入力+Bluetooth+デュアルサブ出力を同等の測定性能・出力とともに満たす低価格機を調査しましたが、廉価機は少なくとも一要件を欠くことが多く(例:SMSL A300はXLR非搭載、Sabaj A20a 2022はUSBオーディオ非搭載)、同等以上の機能を満たしつつより安価な製品は確認できませんでした。したがって本機のCPは1.0とします。
信頼性・サポート
\[\Large \text{0.6}\]過熱・過電流などの保護回路や低消費電力スタンバイを装備[1]。小売店情報では本体1年保証とされ、同価格帯として標準的です[2]。現時点で広範な不具合傾向は確認されていません。総合すると、信頼性・サポートは業界平均相当と評価します。
設計思想の合理性
\[\Large \text{0.8}\]十分なクリーン出力、透明域に届くノイズ・歪み指標、PC直結可能なUSB、Bluetooth、実用的なトーン/EQ、2.1構成を想定したデュアルサブ出力など、測定と利便性に直結する要素を重視しています。一方で、本機はメインSPのハイパス内蔵クロスオーバーを持たないと報告されており、サブ統合の自由度は限定的です[4]。総じて、非科学的主張に依存せず実利的な設計方針といえます。
アドバイス
バランス入力、PC直結のUSB、Bluetooth、簡便な2.1構成まで一台で完結したいユーザーに適しています。バランス入力やUSBを必要としないなら、SMSL A300は同等定格出力と基本DSP/Bluetoothをより安価に提供しますが、入力はRCAのみでサブ出力も単系統です[5]。バランス入力と高出力を重視し、USBオーディオやデュアルサブ出力が不要ならSabaj A20a 2022も選択肢です[3]。逆に、Bluetooth/USB/サブ出力を捨てて卓上での測定的な直線性を最優先するならTopping PA5 II/PA5 II Plusが候補になります[6][7]。必要機能の優先順位で選ぶと失敗が少ないです。
参考情報
[1] SMSL「AO200 MKⅡ」公式製品ページ, https://www.smsl-audio.com/portal/product/detail/id/840.html, 参照日 2025-08-14.
[2] Linsoul「SMSL AO200 MKII」技術詳細・価格, https://www.linsoul.com/products/smsl-ao200-mkii, 参照日 2025-08-14.
[3] Sabaj A20a 2022(XLR/Bluetooth搭載・USBオーディオ非搭載の例):Audiophonics製品ページ/Amazon出品, https://www.audiophonics.fr/en/hifi-devices/sabaj-a20a-2022-amplifier-stereo-class-d-infineon-ma5332m-bluetooth-50-2x170w-1x350w-4-ohm-p-17037.html ; https://www.amazon.com/dp/B0B2QX9LFR , 参照日 2025-08-14.
[4] iiWi Reviews「SMSL AO200 MKII – Affordable Amplifier With Killer Sound」, メインのハイパス未搭載に関する言及, https://iiwireviews.com/smsl-ao200-mkii-affordable-amplifier-with-killer-sound/ , 参照日 2025-08-14.
[5] Parts Express「SMSL A300 Bridgeable Stereo Power Amplifier」, 仕様(165W x2/4Ω, Bluetooth/USB, RCA, サブ出力)https://www.parts-express.com/SMSL-A300-Bridgeable-Stereo-Power-Amplifier-with-Bluetooth-220-102 , 参照日 2025-08-14.
[6] Audio Science Review「Topping PA5 II Stereo Amplifier Review」, 測定と価格状況(BT/USB/サブ出力なし), https://www.audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/topping-pa5-ii-stereo-amplifier-review.47362/ , 参照日 2025-08-14.
[7] Archimago’s Musings「Topping PA5 Mk II Plus」, 測定的考察と価格文脈, https://archimago.blogspot.com/2023/10/part-i-topping-pa5-mk-ii-plus-pa5ii.html , 参照日 2025-08-14.
(2025.8.14)