Sonicake Sonic Cube II

総合評価
2.2
科学的有効性
0.5
技術レベル
0.3
コストパフォーマンス
1.0
信頼性・サポート
0.2
設計思想の合理性
0.2

Sonicake Sonic Cube II(QAI-22)は8,800円(約69 USD)の2チャンネルUSBオーディオインターフェース。メーカー公称の24bit/48kHz対応と+48Vファンタム電源を備える一方、第三者測定は未確認で科学的有効性は限定的[1][2][3]。

概要

Sonicake Sonic Cube II(QAI-22)は、2025年にリリースされた2チャンネルUSBオーディオインターフェースです。市場価格は8,800円(約69 USD)で、メーカー公称で24bit/48kHzサンプリング、+48Vファンタム電源、デジタルモデリング機能を備えます[1][2]。USB Type-C接続でWindows/Macに対応し、MIC 1はコンボ入力(最大入力ゲイン50dB)、LINE/INST 2は6.35mm TRS(ゲイン範囲-25dB〜+25dB)、重量320g、寸法143.5×95.8×43.5mmとされています[1][2]。一方で、第三者レビューでは16bit固定の報告もあり、仕様の解釈には注意が必要です[3]。

科学的有効性

\[\Large \text{0.5}\]

Sonic Cube IIはメーカー公称で24bit/48kHz対応ですが[1][2]、S/N比、THD、IMD、周波数特性、クロストーク、ダイナミックレンジなど、透明レベル判定に必須の測定データは未公開です。さらに第三者レビューでは16bit固定の運用報告もあり[3]、仕様の実効挙動に不確実性があります。独立測定の欠如により、聴感上有意な改善を裏づける科学的評価は現時点で困難です。

技術レベル

\[\Large \text{0.3}\]

デジタルモデリング機能とDSP処理を内蔵しますが、ADC/DAC、プリアンプ回路、DSPアルゴリズムの詳細は非開示です[1]。USB 2.0 Type-Cや汎用的ドライバー対応など一般的構成で、独自性や測定優位性を示す客観データも未見です。よって技術水準は平均以下と判断します。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{1.0}\]

本機の必須要件(2入力、+48Vファンタム、24bit対応、ヘッドホン/ライン出力)は入門機の中でも充足されており[1][2]、現時点で国内量販における同等以上条件を満たす世界最安クラスの製品として8,800円を確認しています[2]。したがって定義式によりCPは1.0とします(世界最安帯。計算式の明記は不要)。なお、M-Audio M-Track Solo/Duoは16bit仕様で同等条件を満たさないため比較対象外です(メーカー仕様)[3]。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.2}\]

Sonicakeは新興企業で長期実績が乏しく、当該機の故障率やMTBF等のデータも未公開です。保証・サポート方針の詳細や国内サポートの水準も不透明で、Windowsでのセットアップ難に関する報告も散見されます[3]。総合して信頼性評価は低めとします。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.2}\]

低価格で多機能を狙う設計ですが、測定データ不在で科学的裏づけが弱く、最大48kHzという仕様も最新入門帯の192kHz対応機に対し保守的です。モデリング機能は差別化要素ではあるものの、性能検証プロセスの透明性は低く、合理性評価は低水準とします[1][3]。

アドバイス

第三者測定が出揃っていないため、録音の信頼性や実力を重視する方は、測定公開や実測レビューのある機種(例:定番クラス)を比較検討してください。モデリングは無償プラグイン等で代替可能なため、インターフェース本体は仕様と測定の透明性を優先して選ぶと合理的です。Sonic Cube IIは安価に必要十分の入出力と+48Vを確保したい用途では選択肢になり得ます[1][2]。

参考情報

  1. Sonicake Official – Sonic Cube II 製品ページ, https://www.sonicake.com/products/sonic-cube-ii (参照日: 2025-08-09)
  2. Hot Music – SONICAKE SONIC CUBE II 商品ページ(価格・仕様), https://hotmusic.jp/products/sonicake-sonic-cube2 (参照日: 2025-08-09)
  3. DTMステーション – 「SONICAKEが8,800円のオーディオインターフェイスSonic Cube II…」記事, https://www.dtmstation.com/archives/72676.html (参照日: 2025-08-09)

(2025.8.9)