Sonore ultraRendu Plus

参考価格: ? 134850
総合評価
2.6
科学的有効性
0.4
技術レベル
0.3
コストパフォーマンス
1.0
信頼性・サポート
0.6
設計思想の合理性
0.3

オーディオファイル向け改善を謳うネットワークオーディオストリーマーだが、汎用代替品に対する測定可能な利点に欠ける

概要

Sonore ultraRendu Plusは、イーサネット接続されたオーディオストリームをDACのUSB出力に変換する専用ネットワークオーディオストリーマーです。オーディオファイル向け機器として販売され、Roon RAAT、DLNA、Squeezeboxなど多様なストリーミングプロトコルに対応し、DSD512およびPCM 768kHzまでの高解像度オーディオフォーマットをサポートします。寸法は4.33” × 4.41” × 1.18”で、別売りの外部リニア電源(6-9V、最低1A)が必要です。

科学的有効性

\[\Large \text{0.4}\]

信頼できる第三者機関による測定値(THD+N、ジッター、クロストーク等)は本レビュー執筆時点で確認できませんでした。ポリシー上、測定不明時の基準は0.5であり、独立検証が見当たらず可聴差の根拠が乏しいため0.4へ調整します。メーカー仕様として、PCM 768kHz/DSD512(Native/DoP)対応、外部DC 6–9V、寸法1.181” × 4.331” × 4.409”等が明示されています[1][2]。透明性閾値を下回るジッターやノイズの優位性を示す統制測定が示されない限り、他のビットパーフェクトなネットワーク→USBブリッジに対する可聴上の優越は未確認です。

技術レベル

\[\Large \text{0.3}\]

ultraRendu Plusは、標準的な組み込みコンピュータソリューションからの最小限の差別化で基本的なコンピュータボード技術を採用しています。バージョン1.3の改良には再配置されたクロック回路、再設計されたUSB実装、改良された電圧調整が含まれますが、これらは重要な技術的進歩というより漸進的な修正を表します。DDR3 RAMを搭載したマルチコアプロセッサーでSonicorbiter OSを実行し、多数の汎用コンピューティングプラットフォームで利用可能な標準的なネットワーキングとUSBオーディオ機能を提供します。専用オーディオファームウェアは利便性を提供しますが、基盤技術はコンピュータベースオーディオソリューションの現在の業界標準を下回っています。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{1.0}\]

価格(US): 899 USD(Sonore US製品ページ)[1]。同等以上(ユーザー視点で、イーサネット入力、USB Audio出力、Roon Ready運用、PCM 768kHz/DSD512級の対応)の完成品単体を現在市場で調査した結果、同条件をすべて満たすより安価な製品は本稿時点で確認できませんでした。従って定義式により、CP = MIN(1.0, 最安同等以上製品価格 ÷ 899 USD) = 1.0(同等以上のより安価な製品が見つからなかったための上限値)となります。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.6}\]

Sonoreは専用オーディオ市場で確立された地位を維持し、ネットワークオーディオ製品に対する専用サポートを提供しています。同社は標準的な保証範囲を提供し、複数のultraRendu世代を通じて継続的な製品開発を実証してきました。Sonicorbiter OSは新機能とプロトコルサポートによる定期的な更新を受けています。しかし、より小規模な専用メーカーとして、長期サポートの持続可能性は主要テクノロジー企業と比較して不確実です。外部電源の要求は、自己完結型ソリューションと比較して潜在的な故障点と複雑性を追加します。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.3}\]

設計思想は、実質的な価格プレミアムに対する科学的正当化なしにオーディオファイル向け改善を主張することに焦点を当てています。汎用コンピューティングソリューションが大幅に低コストで同等の測定性能を提供する場合に、標準USBブリッジ機能のための専用ハードウェアを作成することは限られた合理性を示します。客観的技術仕様よりも測定不能な音質改善の強調は、証拠に基づくオーディオエンジニアリングに反するアプローチを反映しています。専用ファームウェアとRoon Ready認証はいくらかの利便性利益を提供しますが、これらの利点は機能的に同等の代替品に対する極端な価格差を正当化しません。

アドバイス

イーサネット→USBのネットワークトランスポートを求める場合、ultraRendu Plusはコンパクトな筐体、広いプロトコル対応(Roon Ready含む)、高いフォーマット上限(PCM 768kHz/DSD512)を備えます。独立測定による可聴差の裏付けが得られていないため、導入判断は機能要件適合性、エコシステム整合、総コストの観点で行うとよいです。

参考情報

[1] Sonore (US), ultraRendu Plus 製品ページ, https://sonore.us/ultraRendu.html, 2025年8月11日参照(価格 899 USD、Roon Readyモード、対応フォーマット、電源6–9V、寸法) [2] SONORE JP, ultraRendu Plus 製品ページ, https://www.sonore-audio.jp/ultraRendu_Plus.html, 2025年8月11日参照(PCM 44.1–768kHz、DSD64–DSD512、DC6–9V、サイズ11×3×11.2cm、参考小売価格 165,000円)

(2025.8.11)