SuperTFZ Force 1C
チタンコートDD採用の低価格IEM。POPS志向の温かい低音寄りで、透明性は限定的。付属品は簡素です
概要
SuperTFZ Force 1Cは、10 mmチタンコートPETダイアフラムと合金サスペンションを備えたシングルDD IEMです。0.78 mm 2ピンの着脱式ケーブル、樹脂筐体、7色のカラーバリエーションを特徴とし、POPS志向のリスニングを狙ったモデルです。日本では2024年7月22日に発売され、通常価格は9,800円です。 [1][2]
科学的有効性
\[\Large \text{0.5}\]メーカー公表値(本機についての第三者測定は本レビュー日時点で未確認):インピーダンス18 Ω、感度106 dB/mW、周波数特性10 Hz–25 kHz。標準化条件の記載はなく、客観的透明性(FR/THD/遮音)の裏付けは不足しています。測定データが揃うまでは中立の0.5評価とし、信頼できる独立測定が公開され次第反映します。 [1]
技術レベル
\[\Large \text{0.2}\]チタンコートPET×単一DDという低価格帯の定番構成で、磁気回路や筐体設計に先進的要素は見当たりません。着脱式2ピンや樹脂ハウジングは一般的で、音響的な革新性を示す公開データもありません。 [1]
コストパフォーマンス
\[\Large \text{0.4}\]分母(本機価格): 62 USD(日本での価格9,800 円に基づく)。
比較対象(より安価で同等以上): 7HZ x Crinacle Zero: 2(24.99 USD・通常価格)。同じシングルDD+着脱2ピン構成で、THD公称<1 % @1 kHz、B&K 5128での周波数特性データが多数公開されており、実測でニュートラル寄りを示します。ユーザー視点の機能と測定性能はいずれも同等以上と判断します。 [3][4]
CP計算(必須表示):
24.99 ÷ 62 = 0.403… → 0.4(小数1桁丸め)。
信頼性・サポート
\[\Large \text{0.5}\]ユーザー視点では「普通に保証が付く」水準です。販売地域や購入先により条件は異なるものの、一般的なアフターサポートが提供されます。日本では正規代理店の保証規定(国内適用)が用意されており、本価格帯として妥当なサポートと評価します。着脱式2ピンは断線時の交換が容易です。一方、耐久に関する定量データの開示はありません。 [1][5]
設計思想の合理性
\[\Large \text{0.3}\]本機はニュートラル基準よりもPOPS志向の温かい低音表現を狙う設計です。公開測定で低歪みかつ制御されたFRを示す根拠が現時点で不足しており、高忠実度の観点では合理性は限定的です。外観の選択肢が多い点は付加価値ですが、音響透明性の向上には直結しません。 [1][2]
アドバイス
色味や温かいチューニングを重視する方には本機は選択肢になり得ます。より客観指標の整った基準機を安価に求めるなら、7HZ x Crinacle Zero: 2(24.99 USD)が有力です。将来、Force 1Cの信頼できる第三者測定が公開され透明性が確認できれば評価は見直します。 [3][4]
参考情報
[1] 伊藤屋国際(日本正規代理店)「SUPERTFZ FORCE 1C」— 仕様・色展開・国内価格。https://www.itohya.jp/products/supertfz-force1c (2025-08-19参照)
[2] AV Watch「ポップス向けチューニングのイヤフォン。期間限定7840円」— 発売日(2024-07-22)・通常価格9,800円。https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1610241.html (2025-08-19参照)
[3] Linsoul「7HZ x Crinacle Zero: 2」— 通常価格24.99 USD・着脱2ピン・仕様。https://www.linsoul.com/products/7hz-x-crinacle-zero-2 (2025-08-19参照)
[4] Crinacle / Hangout Audio(5128データベース)「IEM Graph Tool — Zero: 2」— B&K 5128でのFR実測。https://graph.hangout.audio/iem/5128/?share=Zero2_S1 (2025-08-19参照)
[5] 伊藤屋国際「正規代理店保証規定(日本国内のみ有効)」— 保証条件。https://www.itohya.jp/pages/%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E4%BB%A3%E7%90%86%E5%BA%97%E4%BF%9D%E8%A8%BC%E8%A6%8F%E5%AE%9A (2025-08-19参照)
(2025.8.19)