TEAC AP-507

参考価格: ? 345370
総合評価
2.5
科学的有効性
0.7
技術レベル
0.4
コストパフォーマンス
0.4
信頼性・サポート
0.6
設計思想の合理性
0.4

先進的なHypex NCORExテクノロジーを搭載したコンパクトClass Dパワーアンプ。卓越した測定性能を実現するが、同等製品に対して約2.3倍の価格プレミアムが存在する

概要

TEAC AP-507は、TEACのReference 500シリーズに属するプレミアムコンパクトステレオパワーアンプで、先進的なHypex NCOREx Class Dテクノロジーを特徴としています。2025年春発売予定で価格は345,370円(2,199 USD)。4Ω負荷時170Wのパワー出力に加え、0.0015%のTHDと113 dBのS/N比という卓越した測定性能を実現しています。プレミアムなMuses 8820Eオペアンプ、デュアルモノ電源設計を採用し、290×84.5×271mmのコンパクト筐体にステレオ、バイアンプ、BTLモノラル動作モードをサポートしています。

科学的有効性

\[\Large \text{0.7}\]

メーカー公表値では極めて低歪・低ノイズ(THD 0.0015% @ 8Ω/1kHz/12.5W、S/N 113 dB)で、一般的な透明性閾値を十分に下回ります[1]。周波数特性は10Hz〜50kHz(+0/–5 dB)、出力は4Ωで170W/chです[1]。公開時点で独立第三者の実測レポートは未確認のため、本スコアはメーカー値に依拠した評価として0.7に留めています。

技術レベル

\[\Large \text{0.4}\]

最先端のHypex NCORExは従来NCORE比でノイズ・歪が約2倍改善とされます[2]。ただしOEMモジュール実装であり、差別化は主に高品質部品の選択・統合に起因します。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{0.4}\]

VTV Amplifier NCx500 Stereo(Hypex NCx500採用)を同等性能のベンチマークとすると、939 USD(ファクトリーバッファ選択時)に対しAP-507は2,199 USD約2.3倍の価格です[3][4]。ブランド筐体としては妥当な範囲ながら、純粋な性能/価格の観点では優位性は限定的です。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.6}\]

堅牢なアルミ筐体、ファンレス、Class Dの特性は信頼性に寄与します。米国では標準1年保証ですが、Reference 500/700は登録で3年に延長されます[5][6]。新機種のため長期故障率データは未整備です。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.4}\]

NCORExの採用は測定性能重視の合理的判断で、客観性能は透明域に到達しています。他方、NCx500系の同等性能が低価格で入手可能な点を踏まえると、価格設定はプレミアム寄りです。

アドバイス

デザイン・サイズ・ブランドを重視し、同等性能比で約2.3倍の価格を許容できる方に適します。価格対性能を最優先するなら、NCx500搭載ステレオ機の方が有利です。

参考情報

[1] TEAC. AP-507 仕様. https://teac.jp/int/product/ap-507/spec
[2] Hypex Electronics. NCOREx Family. https://www.hypex.nl/products/amplifier-families/ncorex-family/
[3] VTV Amplifier. NCx500 Hypex NCore Stereo. https://vtvamplifier.com/product/vtv-amplifier-ncx500-hypex-ncore-stereo-with-input-buffer-options/
[4] Audio Science Review. Hypex NCx500 Class D Amplifier Review. https://www.audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/hypex-ncx500-class-d-amplifier-review.41007/
[5] TEAC. Warranty for US customers. https://teac.jp/int/contents/warranty_for_usa
[6] TEAC USA. 製品登録(Reference 500/700は3年へ延長). https://teacusa.com/pages/register-your-product

(2025.9.5)