Topping DX7 Pro+

参考価格: ? 94000
総合評価
3.7
科学的有効性
0.9
技術レベル
0.7
コストパフォーマンス
0.6
信頼性・サポート
0.7
設計思想の合理性
0.8

ES9038PROとNFCAアンプで透明性を達成する一体型DAC/ヘッドホンアンプ。測定性能は一級ですが、同等性能をより低価格で提供する製品の台頭によりコストパフォーマンスが伸び悩みます。

概要

Topping DX7 Pro+は、フラッグシップESS ES9038PRO DACとTopping独自のNFCA(Nested-Feedback-Composite Amplifier)を搭載したデスクトップ一体型機です。元の価格は699米ドル(約94,000円)で、DAC/Bluetoothレシーバー/プリアンプ/ヘッドホンアンプを1台に統合します。USB、同軸、光、AES、I2S、Bluetooth(LDAC/aptX系)など接続性は広範です。2025年時点で新品流通は地域により在庫限りの状態が多く、入手性は限定的です。BluetoothコーデックはLDAC/AAC/SBCに加えaptX/aptX LL/aptX HD/aptX Adaptiveをサポートし、販売情報ではBluetooth 5.1対応が案内されています。[3][5]

科学的有効性

\[\Large \text{0.9}\]

独立測定でDX7 Pro+は透明度基準を十分に上回ります。Audio Science Reviewの計測ではXLRライン出力で約121dBのSINADを示し、透明基準(約105dB)を大きく超えます。[1] メーカー仕様ではXLR系でS/N・ダイナミックレンジ133dB、ヘッドホン出力THD+Nは1kHz・32Ω150mW時で0.00009%未満と極めて低歪みです。[6] 最大ヘッドホン出力は32Ωで1900mW×2、300Ωで320mW×2を公称し、4ピンXLRと6.35mmの両端子で同一出力(=ヘッドホン段は実質シングルエンド)です。[3][4] SINAD/THD+N/SNR/周波数特性の主要指標で十分な透明性を満たします。

技術レベル

\[\Large \text{0.7}\]

ES9038PRO+NFCA+XMOSという確立された高性能ブロックを用い、BluetoothはQCC5125受信機からデジタルのままメインDACへ渡す実装で音質劣化を回避します。LDACやaptX Adaptiveなど最新コーデックに対応します。[3][5] 総じて成熟した最適化であり革新性は控えめですが、目的(低歪み・低ノイズ)に対して合理的です。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{0.6}\]

元の小売価格94,000円(699 USD相当)に対し、同等機能・同等以上の透明性をより安価に達成する製品が存在します。例としてSabaj A20d 2022年版(419米ドル)があり、ES9038PROクラスの性能を独立計測で確認でき、XLR/RCAライン出力、6.35mm/4.4mmヘッドホン出力、Bluetooth(LDAC)などユーザー向け機能も同等です。[2] よって 56,000円(419 USD相当) ÷ 94,000円 = 0.596 → 0.6 となり、DX7 Pro+の価格優位は薄いと評価します。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.7}\]

正規流通では2年保証が一般的で、公式サイトにはDX7 Pro+向けのファームウェア(V1.90)案内もあります。[5] 回路ブロックは実績豊富で耐用面の不安は小さい一方、多くの販売店で売り切れ表示が増えており、新規購入者の長期部品供給や公式サポート確保は現行機種に比べて不利になり得ます。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.8}\]

音質(可聴)に寄与する指標(THD+N/SINAD/SNR/FR)を最優先し、Bluetoothも便宜性を加えつつ主系統の劣化を避ける実装です。[3] 主観的な味付けよりも測定で裏づけられた透明性を志向しており、合理的なプロダクト哲学と評価できます。現状の市場価格競争力のみが弱点です。

アドバイス

中古や在庫処分で大幅に値下がりした個体を見つけられるなら、透明性能と多機能を1台で得られる堅実な選択です。一方で新品入手や長期サポート重視なら、Sabaj A20d 2022年版(419米ドル前後)など、同等機能・同等透明性を低価格で提供する現行入手性の高い機種がより有利です。[2]

参考情報

[1] Audio Science Review, 「Topping DX7 Pro+ Review (DAC & HP Amp)」, https://www.audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/topping-dx7-pro-review-dac-hp-amp.36978/ , 2025年8月28日アクセス(APx555、標準化条件)

[2] Archimago’s Musings, 「REVIEW: Sabaj A20d 2022 Version DAC (ESS ES9038PRO)」, https://archimago.blogspot.com/2022/08/review-sabaj-a20d-2022-version-dac-ess.html , 2025年8月28日アクセス(包括的測定)

[3] Topping, 「DX7 Pro+ ユーザーマニュアル(仕様)」, https://manuals.plus/m/4a40e3392c068572de7f13e2734cb25ee4e226675e364676767492cf8524e45b.pdf , 2025年8月28日アクセス(32Ω1900mW、コーデック一覧等)

[4] Topping Featured記事, 「DX7 Pro+ — their best all-in-one yet」(ヘッドホン段は実質シングルエンドの記載) , https://www.toppingaudio.com/featured/topping-dx7-pro-review-their-best-all-in-one-yet , 2025年8月28日アクセス

[5] 公式製品/ファームウェアページ・主要小売掲載(Bluetooth 5.1、FW V1.90の確認): https://www.toppingaudio.com/product-item/dx7-pro , https://shenzhenaudio.com/products/topping-dx7-pro-headphone-amp-es9038pro-hi-res-dac-bluetooth5-1-dsd512-pcm768khz-decoder , 2025年8月28日アクセス

[6] Apos Audio(メーカー仕様の再掲:THD+N/SNR等), https://apos.audio/products/topping-dx7-pro-dac-amp-apos-certified , 2025年8月28日アクセス

(2025.8.29)