Victor SX-DW75
30 cmドライバーとJEITA実用最大出力600 W(2 Ω・100 Hz)のクラスDを採用した2006年のホームシアター向けサブウーファーです。DSPは非搭載で、中古相場しだいでは合理的な選択になり得ます。
概要
SX-DW75は2006年6月発売の密閉30 cmアクティブサブウーファーで、MFB(モーショナル・フィードバック)サーボ、クラスD増幅、JEITA「実用最大出力」600 W(2 Ω・100 Hz)を採用します。価格は152,000円で後に217,143円へ改定。光反射を抑えるブラックマット仕上げなどホームシアター向け設計で、VGP(2006 SUMMER/2008)を受賞しています。現在は生産完了で中古流通のみです。 [1][2][3][4]
科学的有効性
\[\Large \text{0.5}\]公称値は16 Hz–250 Hz、88 dB/W·m、密閉エンクロージャー、ローパス40–120 Hz可変、防磁設計などです。増幅はJEITA実用最大600 W(2 Ω・100 Hz)の表記で連続RMSではありません。SX-DW75の包括的な第三者測定(THDやCEA-2010等)は未確認のため、現状は公称仕様に基づく中立的な評価とします。 [1]
技術レベル
\[\Large \text{0.4}\]当時としてはMFBサーボ、10,000ガウス級磁気回路、5層ボイスコイル、クラスD+スイッチング電源など先進的でした。2025年の基準では、DSP(保護/EQ)やアプリ操作、ルーム最適化の統合が一般化しており、DW75は調整自由度と機能が不足します。 [2]
コストパフォーマンス
\[\Large \text{0.9}\]本レビューの価格基準:75,600円(英語版整合のため 563 USD)。
比較対象(同等以上の最安):RSL Speedwoofer 10S MKII — 501 USD(公式ランディングページ)。 ユーザー向け入出力(LFE/ライン、可変クロス/位相)は同等で、DSP管理の400 W RMSとLFEモードで22 Hzまでの拡張が明示されています。測定の詳細はAudioholicsのレビュー(CEA-2010、2 m RMS基準)で公開されています。SX-DW75の独立測定が無い現状では、20 Hz超の実用帯域/出力はRSLが同等以上と暫定判断します。
計算(USD基準):501 ÷ 563 = 0.89 → スコア 0.9(小数1桁丸め)。 [5][6]
信頼性・サポート
\[\Large \text{0.3}\]生産完了品でメーカー保証や部品供給は期待できません。修理は第三者依存です。筐体は堅牢ですが、経年や履歴不明のリスクにより、新品サブに比べ信頼性は下がります(一般的評価)。
設計思想の合理性
\[\Large \text{0.6}\]2025年の観点では、密閉+MFBの歪み制御という方向性は合理的である一方、内蔵DSP/ルームツール非搭載は透明性の高い実測結果へ到達する手段として不利です。AVアンプの自動EQで補完は可能ですが、現代最良実践と比べると設計の合理性は中程度にとどまります。
アドバイス
状態の良い個体が適正価格で見つかれば、AVアンプの自動EQを併用して不足する調整機能を補うと良いです。RSL Speedwoofer 10S MKII(501 USD)は本稿のCP比較対象で、測定に基づく性能とDSP保護を備えます(アプリ操作は非対応)。[5][6]
参考情報
[1] JVCKENWOOD(Victor)「SX-DW75 — 主な仕様」https://www3.jvckenwood.com/audio_w/hifi/sx-dw75/spec.html(参照 2025-08-20)
[2] JVCKENWOOD(Victor)「SX-DW75 — 特長」https://www3.jvckenwood.com/audio_w/hifi/sx-dw75/feature01.html(参照 2025-08-20)
[3] PHILE WEB「VGP2008 — SX-DW75(受賞)」https://vgp.phileweb.com/vgp2008/result/12393.html(参照 2025-08-20)
[4] Audio-Heritage「Victor SX-DW75」https://audio-heritage.jp/VICTOR/Speaker/sx-dw75.html(参照 2025-08-20)
[5] RSL Speakers「Speedwoofer 10S MKII — ランディングページ/価格」https://rslspeakers.com/pages/landing-page-10s-mkii(参照 2025-08-20)
[6] Audioholics「RSL Speedwoofer 10S MKII レビュー(CEA-2010の説明、2 m RMS参照)」https://www.audioholics.com/subwoofer-reviews/rsl-10s-mkii(参照 2025-08-20)
(2025.8.20)