Yamaha SR-B40A

参考価格: ? 41810
総合評価
2.8
科学的有効性
0.6
技術レベル
0.6
コストパフォーマンス
0.8
信頼性・サポート
0.5
設計思想の合理性
0.3

エントリー向けのDolby Atmosサウンドバー。eARCやトーンコントロール対応で機能は充実する一方、Atmosはバーチャル実装でDTS非対応。音声明瞭感はやや平板になりやすい傾向です。

概要

Yamaha SR-B40Aは2023年発売の2.1チャンネルDolby Atmos対応サウンドバーです [7]。本体は 910 × 68 × 133 mm(幅×高さ×奥行)、ユニット構成は1.8インチ×41インチドーム×2、サブウーファーは6.25インチです [1][2]。アンプは合計200 W(フロント50 W×2、サブ100 W)を備え、接続はHDMI eARC/ARC(出力1系統)光デジタル、Bluetooth 5.1(SBC/AAC)に対応します [1][2]。専用アプリでトーンコントロールやサウンドモード変更も可能です [5]。

科学的有効性

\[\Large \text{0.6}\]

第三者の詳細測定は限定的ですが、メーカー資料にはユニット帯域(ウーファー33–210 Hz、ミッド210 Hz–22 kHz、ツイーター9 kHz–22 kHz)が明示され、33 Hz–22 kHzのカバー範囲が読み取れます(平坦性を示すものではありません)[1]。eARCではDolby TrueHD/Atmosに対応し、光入力ではDolby Digitalまでに制限されます [3]。実機検証では最大音量が約95 dB、かつ声が平板に聞こえる傾向が指摘されています [4]。FR/THD等の網羅的な第三者データが不足しているため、評価はメーカー仕様と限定的な外部実測に基づく暫定値です。

技術レベル

\[\Large \text{0.6}\]

本機のAtmosはバーチャル再生で、アップファイアリングユニットは搭載しません [2][4]。DTS非対応である点は互換性面の弱点です [2]。Bluetooth 5.1(SBC/AAC)、4つのサウンドモード、アプリのトーンコントロールは備えますが、自動ルーム補正は非搭載です [2][5]。技術水準は堅実ながら保守的です。

コストパフォーマンス

\[\Large \text{0.8}\]

比較対象(同等以上で最安)Samsung HW-Q600C(真の3.1.2構成/アップファイアリング搭載、ワイヤレスサブ、HDMI eARC、Atmos/TrueHD対応)。329.99 USD(Samsung米国公式、2025年8月22日確認)[6]。第三者測定でも高さ成分や低域再現が良好とされています [8]。
等価性メモ:ユーザー視点の機能(Atmos対応、ワイヤレスサブ、eARC)および実測性能が同等以上です。
計算329.99 USD ÷ 399 USD = 0.8270.8
※本レビューのCP算定は英語版と整合させるためUSD基準です。国内の参考価格として本機の実勢は41,810円(ヨドバシ)で、同時に399 USD相当(価格表示のみの併記)としています [10]。

信頼性・サポート

\[\Large \text{0.5}\]

主要量販の製品ページではメーカー2年保証の記載があります [9]。サポート/ダウンロードページは用意されていますが、本機は機能固定型で大規模なファーム更新依存は小さい構成です [2]。広範な故障事例は確認されていません。

設計思想の合理性

\[\Large \text{0.3}\]

Atmosのバーチャル化重視(高さユニットなし)、DTS非対応自動キャリブレーション非搭載は、測定上の空間再現向上を狙う観点では制約となります。簡便性と価格重視の設計志向であり、透明性レベルの追求は限定的です。

アドバイス

設置の簡単さと低音量感を重視し、399 USD級でAtmos対応を手軽に導入したい方にはSR-B40Aは選択肢になり得ます。より実在感のある高さ表現や台詞重視なら、同等価格帯でアップファイアリング搭載のSamsung HW-Q600Cが現時点では有利です [6][8]。SR-B40Aを使う場合はeARC接続を推奨(光ではAtmos不可)し、Clear Voiceトーン/サブレベルはコンテンツに合わせて最小限で調整するとよいでしょう [3][5]。

参考情報

[1] Yamaha, SR-B40A User Guide(仕様・帯域・入出力), https://usa.yamaha.com/files/download/other_assets/8/1624438/web_AV23-0002_SR-B40A_ug_UABGRIN_En_B0.pdf , 2023年11月公開(2025-08-22参照)
[2] Yamaha USA, SR-B40A – Specs, https://usa.yamaha.com/products/audio_visual/sound_bar/sr-b40a/specs.html (2025-08-22参照)
[3] 同上ユーザーガイド(eARC/ARC/光の対応フォーマット), 上記[1]
[4] Tom’s Guide, “Yamaha SR-B40A soundbar review”, https://www.tomsguide.com/audio/soundbars/yamaha-sr-b40a-soundbar , 2024年3月28日(2025-08-22参照)
[5] Yamaha, SR-B40A クイックガイド(アプリのトーンコントロール説明), https://jp.yamaha.com/files/download/other_assets/7/2142717/web_VGM6710_SR-B40A_qg_ABRIN_En_A0.pdf (2025-08-22参照)
[6] Samsung USA, HW-Q600C 製品ページ・価格, https://www.samsung.com/us/televisions-home-theater/home-theater/sound-bars/q-series-3-1-2-ch-dolby-atmos-soundbar-w-q-symphony-hw-q600c-2023-hw-q600c-za/ (2025-08-22参照)
[7] ヤマハ, ニュースリリース(SR-B40A/SR-B30A), https://www.yamaha.com/ja/news_release/2023/23072002/ (2025-08-22参照)
[8] RTINGS, Samsung HW-Q600C/Q60CC レビュー(測定データ), https://www.rtings.com/soundbar/reviews/samsung/hw-q600c-q60cc (2025-08-22参照)
[9] B&H, SR-B40A 商品ページ(2年保証記載), https://www.bhphotovideo.com/c/product/1778562-REG/yamaha_sr_b40abl_sr_b40a_sound_bar_with.html (2025-08-22参照)
[10] ヨドバシカメラ, SR-B40A 価格(41,810円), https://www.yodobashi.com/product/100000001007957508/ (2025-08-22参照)

(2025.8.22)